他の号のニュースを読む
ひろかずニュース 平成16年10月1日UP
      ☆通算・第22号☆

§22号発刊によせて§
 行政と議会は、基本的に過去の事例をそのまま行う。という事が慣例になっています。特に、議会運営においては、これが重要で、『前はどうやった?』という事が出されます。
 現在、議員歴の長い議員は、安宅議長と渡辺副議長で、共に8期目です。ですから、大変失礼ですが、ある意味“生き字引”であり、何かあると『前はこうやった』と発言し、その意見を参考にして議会を運営して行くことがあります。
 先般発生した、今回の台風は、50年振の“風”台風で、強風のため、町内各所に被害が出ました。
 ですが、50年前の洞爺丸台風の時は『りんごの木が軒並み倒れた』という記憶をしておられる方もおり、ある意味では、被害が少なかったのかもしれません。
 さて、50年前の台風と比較しても致し方ないでしょうし、現実には全町的に被害が発生してしまった。そして、この被害状況から、どうやって、回復させるのか?が課題となりますが、近年、行政的にも、『前はどうだった?』という事は、理事者側もまた、議員の中でも、その経験者も居ない事から、ある意味、全員が初めての経験といえます。
 無論、近年においても強風によって、農作物の被害はありましたが、ここまでの被害はなかったでしょうし、さらに今年は台風の当たり年なので、全国的に建設資材の不足があり、一向に修復の目処が立たない。という事もあります。
 劇甚災害の指定は、『台風一つにつき、その都度』という事らしく、16号の指定もされていない現状では、18号はその指定になるのか?さらには、昨日の21号と比較した場合どうなのか?という事もあります。
 それこそ、国の指定を待っていたら、雪が降って来ます。
 まず、今は、北海道が動いてもらわなければならないと考えていますが、台風直後にこの後志地区を視察した高橋知事が、どう動くのか。新聞では“パァフォーマンス先行”と掲載されていましたが、それこそ、パァフォーマンスに終わってもらっては困ると思っています。そして、道議会を含め、各道議がどう対応するのか?という事も、非常に注目しています。

 話は脱線しましたが、9月の定例会は、理事者側に台風の災害対策に全力を向けてもらうために、議会日程としては、会期を一日残し、実質2日で終わらせた事は、余市町始まって以来(なのかどうかは正確には分かりません)の事でした。
 無論、その分、より完璧を目指して、そして、全力で当たってもらわなければならないと感じてもいます。




16年9月の議会
 記録的な風台風となった台風18号。余市町では、消防の公式記録では43.1メートルを記録し、町内でも各所に被害が発生しました。
 さて、9月は年4回の定例会の月であり、台風が襲ってくるかどうかは分からない事であり、いつも通りの日程が組まれていました。
 ところが台風の被害が想像した以上にあった事から、議会日程も考慮しなければならない事態となってしまいました。

9月 3日・金 平成16年第3回(9月)定例会告示(14日開始)
        一般質問受付開始
   7日・火 午後7時に災害対策本部設置。役場全職員に待機命令発令。
   8日・水 台風18号により被害発生
   9日・木 一般質問受付終了、閉切時間、午後3時
        議会運営委員会正副委員長打ち合わせ・延期
        (一般質問の提出状況を見て、大筋の日程打ち合わせを行
        います)
  10日・金 常設3委員会の正副委員長と議会運営委員会正副委員会
       の8名で、今後の定例会の日程等の打ち合わせ。最終的に
       意見の一致を見なかった事から、正副議長と議会運営委員
       会の正副委員長に一任される
  11・12・13日
        農協職員や役場職員・道職員等のボランティア作業によ
       り、倒壊したブドウ棚の棚お越し実施
  13日・月 議会運営委員会開催。定例会の期間は14日〜17日
       までとする。
  14日・火 定例会開始 議会とし公式に町内の被害状況視察
  15日・水 一般質問
  16日・木 一般質問・各種議案審議・意見案等の審議、定例会終了
       尚、日程は17日・金までの期間となっていましたが、
       16日で議案は終了した事により、定例会は16日で終
       了しました。
  18・19・20日
        先週に続いて、農協職員や役場職員・道職員等のボラ
       ンティア作業による農家被災地の復旧実施


私の一般質問
 一般質問は議員の固有の権利であり"する""しない"はあくまでも議員の自由なのですが、議会ルール上においては、唯一、議員が手動権を握れるものでもあります。
 私は平成11年の議員初当選以来、定例会においては、一度も休まず一般質問をし続けていました。そして、その質問を通してみなさんの要望を少しでもかなえようと考えています。
 しかしながら、今回の定例会では、初めて一般質問を実施しませんでした。

 今回の定例会は9月3日に告示され、3日の午前中に、受付順位2番で事務局に一般質問を提出しました。
 その後、台風が発生し10日の各正副委員長会議の後の正副議長と正副議会運営委員長との日程の話し合いの中で、出来るだけ早く議会を終了する事に迫られ、議会運営委員長として自ら範を示さなければならないと考えた結果、一般質問を撤回する事に致しました。 尚、今回の定例会の一般質問提出状況は、6日まで4名。8日1名。9日の最終日に8名が提出しておりました。
 台風の当日以後に出されたので、理事者側も答弁書を作るのに非常に困っていたようです。


一般質問と意見案の提出
 前掲のように、今回の9月定例会では、私は一般質問はしませんでしたが、以下の質問を提出していました。また、これと同時に、意見案も一件、提案していました。
 1,余市町のホームページについて
 平成13年12月定例会において、私は余市町としてのホームページ開設の質問をし、翌年3月には余市町の公式ホームページが開設されました。 
 開設当初は、内容等が不十分な場合でも、その後に、逐次更新される中で改善されるものであろうと考えておりましたが、一向に更新がされず、14年6月定例会においても、再度の一般質問を行い、更に特別委員会等においても、事あることにこの問題を繰り返し質問して参りました。
 ホームページの最大の利点は、町の情報を、より早く、広く、そして、紙面にとらわれる事なく、伝達出来る事、さらには、電子メールや掲示板を通じて、町政に反映されるべく意見等が寄せられる事にあります。
 しかしながら余市町のホームページが、更新頻度も含め、インターネット利用者の要望に応えていない事があげられ、他町村のものと見比べても、見劣りするものでありましたが、大谷町政下では、改善される事はありませんでした。
 ところが、最近、トップページのカモメの音も無くなり、さらには数ページが更新されている事から、以下の質問致します。また、余市町が直接管理はしておりませんが、余市町の公的団体が開設しているホームページをどのように考えておられるのかも合わせて質問致します。

1,上野町長はどのようなコンセプトをもって、ホームページの発信をしようとしておられるのか。
2,前理事者は『セキュリティの問題があり、更新出来ない』という答弁を繰り返しておりましたが、この点は解決されたのか。
3,町のホームページは、だれが(担当課別に)作成をし、また、サーバーへの送信はだれが行っているのか。
4,勤労青少年ホーム・農業委員会でも、ホームページを開設しておりますが、この点はだれが作成・管轄して、どう運営されているのか。
5,小樽建設開発部が管轄しているiセンターについては、余市町としては今後、どうかかわって行かれるつもりなのか。

2,余市町の農業委員会の堅持について
 平成15年3月20日には全国市長会が『農業委員会のあり方に関する意見』を農林水産省に提出し、その内容は、農業委員会の見直しを求める意見でした。そして、本年5月12日付の地方分権改革推進会議の最終意見案の中で、農業委員会に関する事項では、『農業委員会の必置規則の廃止・緩和』が打ち出され、内容的には、全国市長会の意見を推挙するような内容になっておりました。
 これに対し、先般開催された第159回国会では、農業委員会等に関する法律の一部を改正する法律案が、衆参両議院で可決されましたが、どちらの議院でも、採決に際しては付帯決議が付けられ成立。付帯決議の中身としては『農業委員会の必置規制を堅持する事』となっておりました。
 さて、農業委員会は『農業委員会等に関する法律』の第3条において、農業委員会の設置義務が明記されておりますが、設置者は、市町村長となっている事から、これら一連の動きの中で、余市町農業委員会としても、本年7月26日に開催された第26回農業委員会総会において、『農業委員会の必置規制の堅持と交付金の維持・確保に関する要請』と題し、余市町長に対する要望書を提出する事を全会一致で可決し、数日のうちに、田中余市町農業委員会会長より、上野町長に対し、この要請書が手渡されたと存じます。
 町長は、田中会長より受け取られた要請書をどのように感じ、また、余市町としては農業委員会の設置については、どのように考えておられ、また、将来的にはどのように取り扱いをして行かれる考えなのかを質問致します。

農業委員会の必置規制の堅持と交付金の維持・確保に関する要望意見書

 第159回国会において、「農業委員会等に関する法律の一部を政正する法律」が農業改良助長法及び青年就農促進法の改正案とともに「経営支援3法」として成立しました。
 今回の法律改正は、地方分権の推進や市町村合併の進展等の中で、優良農地の確保や農業の構造政策を推進する農業委員会について、地域の実情に応じた組織運営を図るとともに、活動の重点化と効率化を促進するものであります。
 しかしながら、地方分権改革推進会議では5月12日の最終意見の中で、「農業委員会の必置規制の廃止もしくは一層の緩和を検討すべき」という法改正の趣旨を否定する指摘が行われました。
 農業委員会は、農地法並びに食料・農業・農村基本計画に基づいて「農地の確保・有効利用」、「担い手の確保・育成」という重要な使命を担っており、今回の法改正を踏まえ、さらなる組織・活動の改革に全力で取り組もうとしています。
 このときに際して斯くの如き指摘を行うことは断じて容認できるものではなく、衆参両院農林水産委員会における「農業委員会の必置規制を堅持する旨」の附帯決議をも無視するものであります。
 よって、政府におかれては、地域農業の振興に果たす農業委員会の役割・機能を再確認のうえ、国会における附帯決議を踏まえ、470万ヘクタ−ルの農地総量確保という国政の課題解決と、農地法等の法令業務の全国的な統一性、公平性、客観性を確保するため、農業委員会の「必置規制」を堅持されるよう強く要望いたします。

 以上、地方自治汰第99条の規定により意見書を提出する。

平成16年9月16日     北海道余市郡余市町議会議長安宅俊威
 [提出先] 内閣総理大臣、農林水産大臣



一般質問と意見案の背景

 一般質問も、意見案も、どちらも農業委員会に関する事項でしたが、私は公選の農業委員も兼任しています。
 本年7月末の農業委員会総会(18期26回)において、この問題が取り上げられ、一般質問にその内容を記載していますが、最終的には、国においてどう判断されるのか?という事で、意見案の提案という事を考えました。
 意見案は、地方自治法99条に明記されており、おおよそ、定例会の最後の議案として提案されます。余市町議会の場合、意見案の提案が多く、毎定例会の都度、10件以上の意見案が提案されます。
 意見案を一番多く提案してくるのは共産党ですが、次に連合系、公明党と続き、この他、道路団体や医療団体等の各種団体もあり、各種団体は『この意見案を議会で可決してほしい』と議長宛に郵送されて来ます。
 意見案は、本会議に諮られる前に、会派代表者会議の中で提案され、郵送されてくるものは、原案をそのまま。また、会派から出されるものは、各会派から意見が出され『この部分を追加してほしい』『この部分は削除してほしい』と意見を出し合います。
 無論、政党所属の議員は、国の方針にのっとり、賛成・反対を表明し、最終的には本会議で諮られ、可決されたものは、内閣総理大臣や各省、内容によっては北海道に対しても郵送されます。
 この意見案の提案は、代表者会議において、全会一致となった場合は、議会運営委員長である私が本会議で上程しますが、反対会派がいる場合や、郵送されて来たものは、話し合いによって提案会派を決め、本会議に臨みます。
 さて、今回の一般質問と意見案はセットで考えて、また、私も議員就任以来、初めて「意見案を提案したい」と考え、所属会派の新自治研究会に相談し、その後、議員と農業委員を兼任している渡辺正治議員・松原友香議員・溝口賢誇議員に相談し、各会派で検討してもらい、そして、全会一致で本会議で提案をし、可決されました。
 しかしながら、一般質問が出来なかったことは、状況が許さなかったとはいえ、非常に残念でした。


もう一つの意見案
 定例会においては、各種意見案が提案されますが、今回の定例会では『郵政民営化に反対する意見案』が上程されました。
 結果としては公明党の反対によって全会一致にはなりませんでしたが、賛成多数で可決されました。内容は以下の通りです。

   日本郵政公社存続に関する要望意見書
 郵政事業は、明治4年の郵便制度創設以来133年にわたり、あまねく全国に設置された2万4千7百の郵便局を通じて郵便、郵便貯金、簡易生命保険等の国民の日常生活に必要不可欠な生活基礎サービスを提供しています。
 そのような中で、政府は郵政事業の民営化を平成19年4月に実施するとして、経済財政諮問会議で審議を開始し、民営化を行おうとしています。
 しかしながら、民営化となれば不採算地域からの撤退、不採算事業の縮小は経済原則から見ても、また昨今の民間事業の動向を見ても明らかであります。
 金融不安も完全に払拭されていない今日、日本全国どこでも受けられる郵便、郵便貯金、簡易生命保険サービスの提供は国民生活に必要不可欠であり、今後も国民の権利として守られるべきものであります。
 よって、政府におかれては、地方切捨てにつながるような郵政事業の民営化を行うことなく、国営公社としての日本郵政公社の存続を堅持されるよう強く要望いたします。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年9月16日       北海道余市郡余市町議会議長安宅俊威

[提出先]衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、
内閣府特命担当大臣(金融・経済財政政策)


 さて、この意見案は、明政会が代表者会議でも提案し、さらに、反対会派があった事から、本会議でも明政会が上程をしました。
 提案そのものは悪くないですし、また、私としても郵政民営化には反対であるので、意見案の採択としては異議がありません。
 しかしながら、郵政民営化は自民党の小泉首相の公約である事から、民営化が進んだ場合、提案会派内において、自民党の党員がいた場合、非常に微妙になるのではないか?と推測しています。
 提案されたものに賛成をした。という事と自ら提案した。という事はまったく意味が違います。『国がやっている事だからしょうがない』では済まされない問題だと、私は考えています。
 意見案の賛成・反対は、直接、町村が解決出来る問題ではありません。しかしながら、政治的考えや議員の各々の姿勢が表れるのではないでしょうか。


定例会における議長の挨拶
 定例会直前に発生した被害によって、定例会をどう運営するのか?という事で10日に各委員長が集まり話し合いが持たれました。
 自治法の規定によって、9月に行わなければならない。また、告示をした以上、14日には開会しなければならない。(開会後の日程は別)
 それらの事があり、定例会をどう進めるのか?という事で意見が分かれました。
@開会した後、休会とし、会期を大幅に延長する。
   ※一般質問を最終日に提出した議員が9名いる事から、台風対策を優先する
   ため、答弁書が出来ない可能性があるのではないか。今は、議会より災害対
   策を優先させるべきではないか。
Aやらなければならない事は、速やかに終了させるべきではないか。
   ※今は応急措置的な動きだが、一段落した後、被害状況が取りまとめられ
   北海道や国対しても各種要望・要請を行わなければならない場合、後に延ば
   した場合、理事者側の動きが取れなくなるのではないか。
の二通りあり、どちらも一理あり、結論が出なく、正副議長と正副議会運営委員長に任され、さらには理事者側との話し合いが持たれました。
 結論として『答弁書の作成は可能』との理事者側の見解によって次の日程という事になりました。
14日 開会後、延会し議会として台風被害の現地調査
15日 一般質問
16日 一般質問と各種議案審議
17日 予備日

 さらに、『出来るだけ迅速に終了させよう』という方向性が示された事によって、私の一般質問は、この時点で取り下げを行い、また、松原議員と野崎議員もそれどれ1問ずつを取り下げました。
 14日、定例会が開会した直後、議長より、議員に対し異例の協力要請が述べられました。

 議会開会前にあたりまして、一言ご挨拶を申し上げます。議員皆様ご承知のとおり、「9月8日に本町を通過しました台風第18号」は、発生以来、通過した全国各地において、死者・負傷者が発生するなど、大きな被害のつめ跡を残し、また北海道への北上とともに、強風の勢力を増し、台風の接近時に暴風域に巻き込み、余市町におきましても、余市消防署で観測した最大瞬間風速が、43.1メートルという、過去に例のない風速の記録となりました。
 特に、収穫を間近に控えた基幹産業であります農業において、りんごの落下、ぶどう棚の倒伏、果樹木の倒木、農業用施設の損壊など多大な被害を受け、さらに、一般住宅や町営住宅・学校を初め公共施設への被害など、これまでにない甚大な被害が出ました。
 今回、被害にあわれました町民の皆様方に対しましては、心からお見舞いを申し上げる次第であります。また、町職員の皆様方には、9月7日に対策本部が設置されて以来、昼夜を問わず、迅速な災害復旧にご尽力され、さらに多くのボランティア団体の復旧に対するご協力に対しまして、深く感謝を申し上げますとともに、敬意を表する次第であります。
 今第3回定例会は、このような状況を背景に、開会される運びとなりましたが、議会と致しましても、被害状況を的確に把握し、町理事者とともに今後、早急な復旧対策に努めていかなければならないと考えております。
 議員各位におかれましても、この対策のため、よろしくご協力を頂きますよう、お願い申し上げまして、今期定例会開会前にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。


台風18号

 記録的な風速をもたらした台風18号。余市町としても前日から対策本部を設置市、警戒をしていました。
 8日当日は午前4時頃から風が強くなりだし、私も、午前6時には町内の巡回に出ました。
 出発当時は、わが家の果物類も、さほど落下をしていませんでしたが、徐々に風が強まり、午前8時に戻って来た時は、大半が落下していました。
 
 午前6時台では、一部地域で、大きな木の倒木がありましたが、全体的には平穏でした。
 午前7時台で、国道沿いの温度計で29度を記録。天候も一時太陽がのぞいており、その後、暴風となって来ました。特に、登地区の高台は、元々風が強い場所であり、かなりのリンゴが落下をしていました。
 午前8時前後から消防車のサイレンが多くなり、各所で屋根も飛び始め、消防職員によっての、屋根の飛散防止作業が各所で始まっていました。
 その後は、暴風の一途で、午前11時には最大瞬間風速43メートルを記録し、手のつけられない状況になり、消防職員の高所作業は事故防止のために中止となっていました。
 午後1時には、暴風もかなり収まって来て、午後3時からは所属会派である新自治研究会全員に連絡を取り、車中の中から町内を一巡しました。
 町中では屋根の落下や剥離が大規模で広がっており、比較的、古い建物と簡易な建物。新しくとも背の高い建物や面積の広い箇所の被害が多かったです。
 さらに農作物に関しては、場所にもよりますが、梨類は壊滅的であり、ブドウ棚の倒壊、ハウス関係はビニールの剥離だけでなく、骨組みも湾曲しているのが多数ありました。
 また、農業関係では倉庫等の作業場の屋根が飛んでいる所が多く、これは、資材等が保管出来ない事であり、今後の作業の影響を与えます。

 14日、定例会開会後、本会議は休会し、議会として、公式に町内被害状況の視察に出ました。
 偶然ですが、8日当日に町内を回ったコースとほぼ一致しており、被害の応急措置の様子がよく分かりましたが、改めて被害の大きさを感じずにはおられませんでした。


台風の概要と被害
 今回の台風は、町の施設にもかなりの被害をあたえており、この被害金額の算定はされていません。また、台風の翌日、9日の時点の段階では、農業被害だけで14億7000万円という統計が出ています。これに各個の被害金額を合わせれば、想像以上の金額になります。
 尚、9月30日開催の農業委員会総会においては、9月16日現在の農業関係の被害総額として、20億6200万円。さらに、北海道の調べとして9月22日現在の全道の農業関係の被害総額としては670億円に迫る勢いになっており、今後も増える見込みです。

1・本町における気象状況等
@風雨の状況
 a風の状況
観測場所  管理者  瞬間最大風速m/s     最大平均風速m/s
豊  丘  気象台  9/8 11:00 16.0
黒  川  消防署  9/8 10:51 43.1   9/8 11:00台  18.6

 b 雨の状況
観測場所  管理者   総雨量mm
豊  丘  気象台   18.5
登     土 現   20.0
ヌッチ   土 現   20.0
都     土 現   18.0
   
A気象警報等の発表状況
 月 日 発表時間    警報等の種類
9月7日12時27分 強風、波浪注意報
    18時39分 暴風、波浪警報、大雨、雷、洪水、高潮注意報
    22時05分 大雨、洪水、暴風、波浪、高潮警報、雷注意報
9月8日05時25分 暴風、波浪、高潮警報、大雨注意報
    08時15分 暴風、波浪、高潮警報
    16時14分 波浪警報、強風、波浪注意報
    21時47分 波浪警報、強風、高潮注意報
9月9日04時45分 波浪注意報


2・災害対策本部等の設置状況
@北海道
 ・台風第18号北海道災害対策本部(設置:9/8 10:30)
 ・台風第18号北海道災害対策連絡本部(設置:9/7 18:30)
A後志支庁
 ・台風第18号北海道災害対策後志地方本部(設置:9/8 10:30)
 ・台風第18号北海道災害対策後志地方連絡本部(設置:9/7 18:39)
B余市町
 ・台風第18号余市町災害対策本部(設置:9/7 19:00)
     第一次非常配備体制 9/7 19:00
        内容 関係情報の収集(主に担当する課が行う)
     第二次非常配備体制 9/8 05:00
        内容 関係部部課の職員招集と緊急出動体制

3・本町における主な対応等
 (1)広報車等による町民への注意啓発
   @ 9/7 14:00〜  町内一円
    ・広報車  5台(余市町・余市消防署)
    ・商工会議所、流雪溝街頭放送、余市農協による無線放送
   A 9/8 07:30〜  町内一円
    ・広報車  5台(余市町)
 (2)夜間の情報収集及び連絡体制
 (3)土嚢(450袋)確保
 (4)小中学校等の対応(9月8日 9校全校臨時休校)
 (5)町内パトロール及び被害調査等

4・町内における状況について
@道路の状況(町内関係分)
種別  路線名  通行規制  区間  規制の状況     理由
国道 一般国道5号 全面 黒川町1294番地付近
      9/8 09:06〜9/8 19:30 強風により屋根が飛び国道をふさいだため
   一般国道5号 全面 栄町〜塩谷1丁目
      9/8 13:10〜9/8 22:20 強風、倒木、高潮等の危険のため
道道 余市赤井川線 全面 黒川町1179〜赤井川日の出
      9/8 09:30〜9/9 05:00 倒木による
   登余市停車場線 全面 登町(登2号橋)〜登町(余市赤井川線交点)
      9/8 09:30〜9/9 05:00 倒木による
町 道  なし


A交通機関の状況
日程  交通の機関   内容    摘要
9/8 中央バス   全面運休
    JR     全面運休
9/9 中央バス  小樽〜余市間  通常通り運行
          小樽〜美国間  神威岬までの運行見通しなし
          赤井川線    当丸峠運行見通しなし

B停電の状況(北海道電力調べ)
     町内一円    約6,300戸

5・断水による給水対応
対応地区   対応の状況
モイレ地区  発電機による給水の確保
東部地区   ポリによる運搬(10戸)

6・自主避難の状況
避難場所(人数) 9/8日中  9/8泊  9/9泊
福祉センター    5    −    −
中央公民館    32   23    7
旭中学校      2    −    −
東中学校      1    −    −
大川小学校     8    −    −
総合体育館    23    −    −
栄小学校      6    −    −
合  計     77   23    7

7・部門別被害一覧表(平成16年9月13日現在)
区   分  細  目    被害内容    摘   要
人   的  負傷者  35人(男22人  女13名)
住   家  半壊 11棟、一部破損 125棟
非 住 家  全壊 86棟、半壊 34棟、(一部損壊未調査)
農   業  農作物  りんご221ha(落果率81.6%)、
            和梨34ha(落果率96.4%)、
            洋梨33ha(落果率96.4%)、
            ぶどう154ha(落果率41.1%)、
            プルーン9ha(落果率87.0%)
       倒伏被害 りんご4.2ha、ぶどう12.6ha
            和梨0.2ha、プルーン0.1ha、桜桃4.5ha
       農業用施設 ぶどう棚12.6ha、桜桃ハウス0.1ha、
             野菜ハウス(ビニ−ル)1,029棟、
             野菜ハウス(パイプ)292棟、
             ハウスぶどう(ビニ−ル)1ha、
             ハウスぶどう(パイプ)0.55ha
       農産物被害額 約14億7000万円
         ※この被害額は、果樹関係の落下物と、各種農業用
         施設(ビニールハウス)の倒壊・破損分だけであり、
         ビニールハウス内の作物の被害額は入っておりません。
土 木 等  道路   街路樹の倒木・幹折れ  2路線
公   園  倒木、幹折れ15箇所 あずまやの屋根飛散2箇所、その他施設被害2箇所
漁   港  浮桟橋タラップ破損1件、消波ブロック移動1件
町営住宅   屋根損壊2団地、窓破損2団地、仕切板等破損4団地
治山施設   調査中
水   産  水産加工排水処理場壁窓破損、漁組施設5件、巻上小屋屋根全壊1件
衛   生  浄水場3施設
一般廃棄物処理施設   クリーンセンター門破損
火 葬 場  町営斎場窓破損
商   工  観光トイレ2施設、商業店舗工場等の屋根飛散等112件
公立文教等  小学校5校、中学校3校、社会教育施設8施設、教職員住宅4棟、
       社会福祉施設10施設
その他    停電、電話不通

学校施設・社会教育・社会体育・文化財施設関係の被害状況
平成16年9月9日(木) 午前11時現在
施 設 名     被  害  概  要
黒川小学校     プレハブ全壊(78u)
          雨漏り1箇所(音楽室)
          屋上の防水シート破損(校舎)
          屋上のアンテナの倒壊
          校舎裏立木の倒伏(1本)
沢町小学校     グランドの砂が地域に飛散した
          体育館屋上防水シート剥離破損
          グランドの立木倒伏(1本)
大川小学校     体育館の屋根破損(500u)
          街路灯が1箇所破損
豊丘小学校     給食室屋根のトタン剥離破損(13u)
          グランドの立木倒伏(3本)
登小学校      校舎の屋根破損(83u)
          松の木の倒伏(1本)
栄小学校      異常なし
東中学校      体育館の外壁破損(約10u)
          グランドの立木倒伏(3本)
          サッカーゴールネット破損
          グランド入り口のプレハブが倒伏の恐れ(26u)
          物置破損
西中学校      プレハブのシャッター破損(7.3u)
          体育館窓ガラス1枚破損
          プレハブ全壊(39u)
旭中学校      雨漏り2箇所(図書室、職員室)
          グランド用具室シャッター破損(6.5u)
豊丘小校長住宅、教職員住宅
          教職員住宅の窓ガラス破損(5枚)
          教頭住宅の電話線切断
          校長住宅玄関上アルミサッシ窓ガラス破損
旭中学校教頭住宅  教職員住宅の2階窓ガラス破損(1枚)
東中学校校長住宅  立木倒伏(3本)
中央公民館     北口玄関ドア取っ手が破損
          中央公民館の掲示板が倒壊
体育館       体育館アリーナ部屋上側面板止め用アルミカサギ破損落下
           (アルミカサギ7枚、アルミカサギコーナー1枚)
          体育館横玄関ホール天井電灯部分の天板破損(石綿板4枚)
          体育館2Fロビー東側傾斜窓ペアガラス外側破損(1枚)
          温水プール外壁設置しているブレーカーボックス扉部分破損
          あけぼのプールの屋根ビニールシート剥離
                    (シート面積800u)
博物館       屋上の看板6枚が倒壊破損
          旧今邸の屋根トタンが一部剥離し、窓ガラス破損
          樹木倒伏1本
          福原魚場の窓ガラス破損。樹木の倒伏1本
図書館       一般閲覧室屋根のトタン(約14枚)剥離した。


9月8日の気象状況
時刻  平均風速  最大風速  風向  気温(度) 時間雨量   気圧
      m/s    m/s             mm    hps
01:00   1.2   4.2  東北東  18.3  1.0   989.8
02:00   1.0   3.6  東北東  19.1  0.5   987.2
03:00   2.5   5.8   南東  24.9  0.5   984.9
04:00   1.1    9.9  南南東  24.0  0.0    982.7
05:00   6.2   22.1    南  28.4   0.0    979.8
06:00   5.6   20.9    南  28.5   0.0     976.9
07:00   9.9   29.2    南  28.8    0.0      974.3
08:00     7.8    30.4    南  25.6    0.0     971.1
09:00     7.8    28.6    南  24.5    0.0     968.3
10:00   13.0    35.8  南南西  23.9    0.0     968.5
11:00   18.6    43.1   南西  20.3    0.0     974.1
12:00   10.3    40.2   南西  18.5    0.0     980.5
13:00   11.8    29.2   南西  18.3    0.5     985.2
14:00     7.1   20.3   南西  18.2    1.0     988.7
15:00     5.8    20.9   南西  18.3    0.5     992.2
16:00    5.1    14.8  西東西  17.8    0.5     994.8
17:00     4.1    16.0  西東西  18.9    0.0     997.2
18:00     3.2    13.3  西東西  18.7    0.5     998.8
19:00     1.5    10.6  西東西  18.5    0.0    1001.0
20:00     1.2      5.8   南西  18.7    0.0    1003.0
21:00     0.9      3.7  南南西  18.4    0.0    1004.1
22:00     1.0     4.1  南南東  18.1    0.0    1005.6
23:00     0.9      2.4  南南西  18.2    0.0    1007.2
24:00     1.8   3.7  南南西  17.7    0.0    1008.2

平 均 風 速 m/s   5.3
最 高 風 速 m/s  43.1 午前10時51分
最高平均風速m/s  10.0 午前10時59分 

風向の割合度(%)
北北東   北東  東北東     東  東南東   南東  南南東      南
 0.5  0.9   1.9  0.8   1.0  3.8  9.9  22.9
 南南西    南西   西東西   南西南    北西  北北西     北  無風・欠測
12.9  27.0  14.3    0.3   0.4    0.9  1.5   0.0 
  
※この気象データは北後志消防組合より提供を頂きました。
※風速は余市消防署の屋上の風速計により計測


台風の直後の対応
 余市町としては、台風接近に伴い、7日夜から職員が泊まり込み、8日の日の出から巡回車を出して町内の見回りを実施していました。
 8日午前6時台に、梅川地区において、倒木により町道が封鎖状態になっていましたが、たまたま役場の巡回カーとすれ違って、その旨を伝えると、1時間後には撤去されていました。
 風が強くなりはじめた7時半以降は、消防職員が民家の屋根に登っての補強等をしていました。
 しかしながら、10時以後は強風によって高所作業は出来なくなってしまいましたが、これは致し方なかったでしょうし、さらに、救助に出向いた地先において、隣家に影響があった場合、一緒に作業をしていたという状況も、理解出来る事項だと考えます。
 当日は役場も停電によって、通常電話が使えなくなった。また、携帯電話も繋がらない状況になった事により、消防と北電に電話が集中して、人員も限られる事から、総てに対応出来なかった事も事実であろうと推測しています。
 限られた人員によって対応し、町道全般において通行が確保出来た事、さらに、二次被害が発生しなかった事は称賛に値すると私は考えます。
 
 翌日からの復旧についても、人の出入りのある公園等の倒木処理も早く、特に農業関係でブドウ棚の倒壊に際しては、一早い復旧が求められていました。
 この要望に対し、農協・役場を通じ全農家に対しハガキが送られ、その有無が問われ、ボランティアによる復旧作業が行われていました。
 11日から20日までの6日間で、50戸以上の農家の応援に出向き、役場組合職員・役場管理職懇話会・道職員・農協を中心とし、この他に町民有志が、のべで650名以上参加し、倒壊したブドウ棚等の復旧(棚上げ)が行われたと聞き及んでおります。
 さらに、倒木・破損した物品類の受け入れ体制も、翌日には決定されて迅速に行われている事、さらには、本来ならば住民自身が行わなければならない作業も、重機等を出して処理をしていました。
 無論『そうではない』という意見を持たれている方もいるでしょうが、全町において被害があった事を考えると、時間がかかるのも、また、出向けなかった事は致し方のない事ではないでしょうか。


台風被害の今後
 国には災害対策基本法というのがあり、この中で様々な規定をしています。今回の台風災害が、災害対策基本法に該当するのか?といえば、余市町だけではなく、地域全体としてどうなのか?という事が判断されると想像しています。
 災害の付く法律は、災害対策基本法と災害救助法の二つがありますが、どちらがどう作用するのかは分かりませんが、最終的にどの法律が適用になるのかどうかも含め、その判断は北海道と国がする事になると思います。
 無論、議員としては、道議会議員や国会議員に要望はしており、余市町としても、そのように動いていると聞いていますが分かりません。
 ただ余市町としては、本年度所得が無くなった方や、さらに復旧に費用がかかった場合の各種減免を考えていかなければならないと考えています。
 さらに、これからは本格的に復旧に移りますが、やはり、必要とされるのは各種の資金です。所得の無くなった方もいる事から、無金利、もしくは極めて低利な融資がなければ、産業の復活も、さらには生活もままならない可能性におちいる方もいるのではないか?と想像しています。
 そうなにないように努めたいと考えております。

 また、今回の台風は停電が発生し、施設内の交換機を通っている電話が使えない状況となり、役場の電話も一部の非常電話を除いて繋がらなくなりました。
 これに際し、携帯電話で連絡を取り合って処理をしていましたが、今後、携帯電話の連絡システムの構築、さらには、被害発生直後から申し出があった、ボランティアの受付等についてもマニュアル作りをしておかなければならないと感じています。


定例会の議題
 今回の定例会は一般会計の補正予算の他、各種条例改正が提案されました。余市町の場合、条例改正は原則、常任委員会に付託される事から、今回提案された条例は各常任委員会に付託されました。尚、主たる改正内容としては国の条例改正に伴うものであり、町条例との整合性をもたせるためのものです。
 一般会計補正予算審議の中では、町内各種団体から、パークゴルフ場建設に対しての寄付が寄せられていますが、定例会開催時点では建設が始まっていませんでした。
 本会議で「寄付が寄せられているが、建設はどうなっているのか?」と私は質問し、『予定通りに建設を行う』との答弁がありました。本年度は園路広場と駐車場の整備を行う事として9月末、工事入札が行われております。


                           第22号完

ご意見・ご感想・ご要望等がございましたら、メール等をいただければ幸です