独リ言・5月11日 住民裁判について
 5月10日の臨時会で、議題となった裁判費用の問題。一言で言えば、訴える方も訴える方だが、余市町としても、なんとかならないのか?というのが率直な気持である。
 今回の原告は、裁判所に訴える前に、それなりの手続きをふんでいる。まず、事前に何度も担当課に足を運んで、担当課長から疑問の指摘と回答をもらい、納得出来なかったので、余市町監査委員に対し住民監査を実施。さらに納得出来ないので“裁判”という事である。
 確かに、その町に住んでいる住民には権利として行政を訴える権利はあると思うし、権利そのものを否定する訳ではない。
 しかし、「なんで?どうして?」と言わざるを得ない。

 自分は、今回の件に関し、以下の質問を行った。
1,240万円の内訳?
2,なんという弁護士に余市町としては依頼するのか?
3,訴えられる前に、余市町として、原告と話をした経過はあるのか?
4,裁判で余市町としては何を目指すのか?

 答弁としては
1,経済的利益が算定出来ない場合は『800万円』と規定されており、今回の場合は、 800万円として試算され、その分の着手金と報酬。
2,過去の実績を考え斉藤弁護士。(前回の同原告の時も、同弁護士であり、現在訴訟中 の民地裁判も同弁護士である。)
3,原告は介護保険に関し、興味を持っており、担当課にも何度も来ていたが、監査請求 を出した後は(4月上旬に監査委員の結果が文章で渡されている)来ていない。
4,原告の請求は認められない。

再質問として
 余市町が勝訴した場合、これは原告が訴えを取り下げた場合も含め、結果として勝訴した場合、原告に対し、裁判費用の負担を求めるのか?求めない場合は、その理由も合わせてお願いします。

 答弁として
 町側の損害の算出が困難(これは、弁護士費用ではなく、町の実質的な損失判断の事をいう)であり、原告に対しての請求は困難である。
  
再々質問として
 住民としては、その町に住んでいれば、行政を訴える権利はあると思いますし、私は、その権利を否定するものではありません。
 しかしながら、これによって、町民の税金が使われることは間違いのない事実であります。そして、町長は二言目には『予算が無いので、ご理解下さい。』と言って、住民に我慢をしていてる現状で、この240万という経費が使われ事が、住民が納得してくれる事項なのかどうかと言うことが、私は解りません。
1,町長は、この議案そものが、住民が理解してくれると判断しているのか?
2,先ほど勝訴の場合でも、『請求は困難である。』というのであれば、どう住民に対し説明するのか、模範解答を頂きたい。

 答弁として
 町長『行政執行の中でやっているので、ご理解を賜りたい。』
  (答弁の意味が理解出来なかったが、3回ルールなので、以後の質疑は出来ない)

 この原告は、2年前、自分が議員となってから、案件は違うが同様に余市町を相手取り裁判を起こし、本人の取り下げにより、結果として町側が勝訴したのでたった。
 この時の質疑の中で、S議員が『賠償請求はしないのか?』との質問をして『検討する』との答弁があったが、2年前の結果としても、余市町としては、原告に対し損害賠償の請求はしていない。

 行政裁判の考え方は分かりやすく解説をすればこいう事だ。
 まず、余市町は地方公共団体(地方自治法1条2)であり、地方公共団体には法人格(同2条)が与えられている。
 法人は人格を持っているが、現実的に損害を受けていても、余市町としては、自身を訴える事が出来ないから、余市町になり変わって、訴えを起こす。という事である。

 訴えるのは、善意から出たものであり、役場側としても、『善意から(あくまでも、原告側は己の私腹を肥やす訳ではない)の町民を訴える訳にはいかない』というのが、本当の所である事は理解も出来るし、仮に余市町側が訴えたとしも、また裁判をすれば弁護費用がかる。
 経済的逸失利益が無い場合、やっても無駄。というより、240万円を取るのに、同じ金額が必要で、さらに、それに費やす時間を考えれば、単純に考えれば、プラス・マイナス“0”ではなく、赤字である。

 原告としては、税金の無駄や、違法支出行為だという判断で、“善意”として訴えを起こし、起こすのが総てがダメだとは言わない。しかしながら、その一方で、訴えを起こされれば弁護士を依頼しなければならなくなる。
 その弁護士費用はだれが出すのか?どこから出るのか?そして、だれが不利益を被っていて、だれが得をするのか?
 今回の240万円と、前回の分も合わせれば500万円となり、この金額が本当に500万円分の価値のある事項なのか?

 今回の事件では、自分の他に、吉田豊議員、佐藤一夫議員も質疑を行った。そして、全会一致とならず、採決が行われた。

 自分としては、最後まで、立つか座るか悩んでいた。そして、心情的には、議員も職員も、そして町長も、議場いる全員、だれも“良し”とは考えてはいないだろう。

 良く、言われる事であるが、『何でも反対は責任を取らなくて良いから一番楽』だと。その反対に、『なんでも賛成』も一番楽である。
 確かに、反対すれば住民受けは間違いなく良いだろうし、『俺は反対した』と言って回れるが・・・・・
 ある書物には、議員として困った時には、『自身で不利になる方にすれば良い』と書かれてあったが、今回はその事例にあたるのか?
 反対に回って、否決されたらどうなるのか?否決されれば、予算は執行出来なくなり、行政が止まってしまう。その責任が果たして取れるのか?

 そうこう考えていたら、議長の『賛成の諸君の起立を求めます』の声が発せられた。
結局、自分の腰は上がらず、結果としては質問をした者が反対に回ったが、賛成多数で可決した。

 1+1=2だけれども、行政は“とき”とし“0”の時もあれば“3”の時もある。答えが解っていれば、だれも苦労はしない。ちなみに、今回のような事例で反対者が出たのは初めてだそうだ。

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