独り言・7月8日
 
     ☆農業委員選挙☆

 7月19日に任期(3年間)満了を迎えるために行われる農業委員会委員選挙。全国一斉に実施され、余市町でも7月2日に告示され、余市町では16名の委員席を争う事となった。
 余市町農業委員会の選挙戦において、実際に投票が行われたのは18年前に実施され、爾来、無投票で決まっていると聞いている。

 今回の委員選挙では、2日の5時までに立候補届けを提出した候補者は16名。前回同様、定数を越えなかったということで、余市町では無投票で届け出をした候補者全員の当選が確定した。
  当初の予定では7日が投票日であり、投票が実施される事が確定されれば(17名以上の立候補があれば)初めて、投票入場券が郵送される仕組みとなっていた。
  今回の選挙において、余市町では約1400名が有権者となっていたが、近年、認定農業者や他業種からの転職(主に定年を迎えて)が多く、農業委員が選挙で選ばれること自体を知らない農業者が増えているのも事実である。
  今回の一斉改選において、後志管内では、倶知安町のみが投票が実施されると新聞に掲載されていた。また、8日の北海道新聞夕刊には『本別町農業委員の選挙において、30年ぶりに選挙となり、選挙カーが走るほど盛り上がり、最下位2名が同一得票で、くじ引きで決められた。』と掲載されていた。
  余市町でも、『選挙を実施するべし』という声がある一方、町内の大多数の農業者はそれを望んではいない。

  選挙は事務的には、告示前に投票用紙等の印刷は終了しているが、投票が実施されれば、入場券の郵送費が必要であり、さらに、職員の残業。これに加え、選挙投票場の立会人も必要となる。
  議員選挙では、有権者総数が約18000人であり、立会人は、この18000人の中から選ばれるが、農業委員は1400名の中から選ばなければならず、また、この時期、農業者としては多忙であるために、立会人を探すことも大変である。
  前回の投票の実施は18年前であるが、当時と今を比べれば、耕作作物がまったく違っている。
  なぜこの時期の選挙を全国一斉にするのか?と言えば、それは、米の関係であろうと思う。つまり、米作りはこの時期は比較的暇な時期である。つまり、時間が取れる。また、リンゴ等の昔ながらの果物だけならば、米作りよりは忙しいが、まだ時間的余裕がある。
  だが、今はどうだろうか。米は余市町では、わずかしか生産されていない。反面、ハウス野菜とサクランボが主流になっている。
  野菜もサクランボも共通している事は、他の作物と違い、冷蔵庫に入れることが不可能である。という事。今、出荷最盛期であり、どんどん出荷して行かなければならないという事である。
  また、町としても、今年は6日、7日と町の一大イベントであるソーラン祭りが実施され、役場職員が出払っている事もある。
  費用・手間を考えれば、実施されない方が良いのも事実ではあるが、反面、本当にこれで良いのか?とも思う。そして、前掲のように『投票をすべし』との声も、少数ではあるが存在する。

  農業委員の選挙においては、各地域から候補者を出す事が暗黙の了解となっている。これは、特定の地域に農業委員が不在になる事を避けるためでもある。無論、選挙である以上、権利がある人は、だれでも立候補する事は可能であり、事前に割り振る訳でも無い。ただし、地域推薦をもらった委員は、やはり投票になった場合は、有利という事になる。

  農業委員の選挙権を有している者は、20歳以上で30アール以上の農地を保有している農業者とその家族、並びに農業生産法人の構成員(認定農業者)のみである。
   選挙権を有している者は立候補権も有しているが、裁判官・検察官・会計検査委員・警察官・公安委員は候補者からは除外される。
  余市町では議員と農業委員、どちらも公選というのは、自分が始めてのケースであり、たまたま3年前は、12年に一度、農業委員選挙と議員選挙が重なった年であり、選挙管理委員会には、多くの問い合わせがあったと聞いている。

  前回、自分が立候補するきっかけとなったのは、地域からの推薦を受けた事による。そして、今回も地域からの推薦を頂いて出馬をする事となった。
  ただ、事前に「地域で出たい人がいれば、譲ります。自分は、議会推薦を得ることも可能ですから。」と申し入れをしておいたが、声が上がらなかったので、議会推薦ではなく、公選から出馬する事となった。
   議推と公選はどう違うのか?といえば、仕事内容は同じではあるが、やはり、公選委員の方が発言力はあるようだ。


  さて、農業委員の立候補届けの仕方は、議員選挙と同じである。といっても、これは経験者しか分からないので、告示日の流れを記載すると、

 午前8時前に役場3階の受付名簿に名前を書く。
 8時前に来た人を対象として、くじ引きで、自分の受付番号を決める。
 8時以降に来た人は受付順となる。
 8時半から受付開始。書類の確認。くじ引きの番号順で行われる。
 当然、1番を引いた人は、すぐに終わり、すぐに選挙運動に入れる。
 書類の確認は、全部で6ッのテーブルを回る。
 1ッ目〜3ッ目は同じ事を、違う係が確認する。
 4ッ目のテーブルでは、通称認定をしてもらう。
    ※自分の場合、吉田浩一 → 吉田ひろかず にしてもらう。
 5ッ目で、最終確認。
 6ッ目で受付時間を確認して、終了。選挙戦スタート。
 午後5時までが立候補届け出時間となり、同じ時刻までは取り下げる事も可能。

  という流れになる。自分は8時前には行かなかったので、くじ引きに参加する資格は無かったが、4番目の受付で、受付時間は8時52分と記入された。
  書類の提出は候補者本人がする場合と、代理人(選挙責任者)が提出する場合と、どちらでも可能であるが、本人が提出するのが、書類枚数も少なく一番確実である。

  当選が確定されれば、議員と同じ当選証書の交付が行われ、内容的には議員と同じものである。今回の場合、8日に交付式が役場で行われた。



  農業員会の委員選挙において、余市町では、過去、実施された選挙運動しては、ポスター掲示だけと聞いている。だが、掲示板が無いために、枚数も、また、どこに貼ろうと自由である。
 過去においては、ポスターは住宅の壁にはられたそうだが、現在は木の家は少なくので、実際に掲示する事になれば、足付きの掲示板も自ら作成しなければならず、また、当然、所有者に許可をもらわなければならない。
  今回、自分は、選挙カーを走らせた。農業委員選挙で選挙カーの出動は始めてのケースであったようだが、町選挙管理委員会に事前に問い合わせをした所、『確認します』との事であり、また、警察にも確認をした。
  通常の議員選挙の場合、選挙カーには細かな規定があり、看板の長さや、スピーカーの大きさ等を図面として届け出をしなければならない。
  しかし、今回の自分の選挙カーは、自分の所有しているワゴン車に、自治体で使われているような広報車のスピーカーとアンプを積んだ、だけであったが、一応、警察にも事前に見せに行った。結果、『これなら特別な届けはいりません。』との事であった。

 なぜ、選挙カーを走らせたのか?と言えば、無投票の可能性もあったが、選挙である以上、そして、議員と兼職しているのであれば、尚更、やらなければならないと考えていた。
 また、実際にどれくらいの街頭演説が出来るものか、自分でも試してみたかっのもあった。
 朝の9時から始めて、一回7分くらいの演説を実施。昼に会合があったために、2時間ほど休んでいたが、主に住宅地を中心に町内各所を移動、午後5時まで25ヶ所で実施をした。
 総時間として3時間程であったが、声も涸れないで出来た事は、少し自信になった。
 そして、もう一つ・・・・




  ウグイスは居なかったために、突然演説を始めた。驚いた方も多く、また、騒がせ、ご迷惑をお掛けしました。
  マイクの調子が悪く、音が割れて、また、スピーカーの方向があるので、側にいても聞き取れなかった人もおり、様々な面で貴重な体験となった。
 平均的に多かった声としては『共産党がやっていると思った。』と言われた事であった。主義・主張は別として、それだけ、共産党はやっている。反面、保守系といわれる議員は活動が見えないという事であろう。


  さて、農業委員は何をするのか?といえば、一口で言えば、農業の振興に寄与する事であり、農業は農地が無ければ物は作れない。つまり、農業委員会は農地を守ることを第一にしている。また、行政に対し公式に意見を申し出ることが出来る事が法律に明記されてる。
  国の方針としては、国策として農業は守らなければならない方針でありそのために、農業振興地域の設定をしている。また、農地と一口で言っても、一種から三種まである。
  農業委員会の主たる業務は、土地が農地であるかどうかの判断をするものであり、農地の地目変更をする場合、農業委員会の証明が必要である。これは、自分で所有の農地に自己住宅・農業用倉庫を建てる場合でも委員会の許可が必要であり、言い換えれば、農業委員会の許可が出なければ、自分の土地であろうとも、地目変更も売買も一切出来ないという事になる。
  この過程で必要となるのは、現地調査であり、農業委員3名が現地調査に出向き、申請された土地の回りの状況等を総合的に判断し、可否の判断をした後、総会で最終決定をする。

  次の仕事としては農地の斡旋である。農業委員は農地流動化促進委員というのも自動的に委嘱をされる。この委員は、例えば離農するに当たり、次の農地購入者を探し、値決めをするものであり、売る方は少しでも高く売りたく、買う方は少しでも安く買いたい。また、その場所の相場というものもあり、相場も考慮しなければならない。
 
  農業委員には報酬が支払われる。余市町農業委員の場合は月額24000円で、二月に一回、支給される。
 議員の場合、一般議員の場合は、月額の報酬が20万と決まっているが、議会がある都度、費用弁償という日当が2500円づつ支給される。
  また、他の委員会(これは、表彰委員会や公営住宅選考委員会等)でも、出席すると一回につき約6500円が支給される。しかし、農地流動化促進委員の会議に出席しても別途支給はされない。

  農業委員会は、毎月一回の定期総会(農業委員では会議の事を“総会”と呼ぶ)の他、現地調査等、多いときは月に4〜5回出なければならず、さらに、仕事とはいえ、売買の仲介に入らなければならない。この他、農業者からの相談を受けなければならない。
  報酬と仕事内容を考えれば、町から委嘱される委員の中で、一番割りの悪い委員であると自分は感じているが、農業委員は公式の場所で意見をいう事が出来る、数少ない役職の一つである。


  なぜ、農業委員を選挙で選ぶのか?という事だが、これは『農業委員会等に関する法律』という法律があり、これに根拠があり、細かく記載されている。
  農業委員会は、組織上では農林大臣に直結している。つまり、町村の所管とはならない事が明記されている。
  事務局は独立して存在をしており、農業委員会の代表者は、町長では無く、選挙で選ばれる委員の中から、互選される会長である。
  独立機関である証拠に、議会議員が一般質問で農業委員会に関する事項の質問をすれば、答弁に立つのは、町長ではなく、農業委員会会長であり、余市町の本会議でも、農業委員会会長が答弁に立つことが年に数回ある。


  さて、農業委員会は独立組織であるが、委員は、非常勤であり、事務は事務局が行うことになっている。その事務を統括するのが事務局長である。
  余市町の場合、現在農業委員会事務局長と農林課長は併任をしている。つまり、一人が二つの役職をしている事になっている。そして、この状況になったのは、現在の大谷町政になってからである。
  自分としては、この状況は正しくないと考え、町長に対し、「仕事内容も違うので、併任させているのは、おかしい。」と質問をしている。

  農業委員会局長と農林課長を併任・兼任をしている町村は多い。だが、町として、町の産業が農業しかない町と余市町とでは、状況が違っている。
  余市町では、土地柄、地目を農地から宅地への変更する案件が多い。これは、第三者への売買を含めてだが、農地が住宅地と隣接しているからであり、余市町農業委員会の特色となっている。
  必ずしも、町が考える農業政策と農家が考える農業政策は一致しない場合も多分に有り得る。一致しない場合、農業員会事務局長と農林課長が兼任していた場合、その職員はどの方向を向くのか?いわずと知れてはっきりしている。

  役場の職員は、役職もあるが『級』がある。最高は8級職であり、8級職は、おおむね課長級以上であり、課長は議会で答弁をしなければならない。
  大谷町長は、8級職でも議会で答弁をしない役職者を新設、また、8級職を庁外の施設に配置をしている。
 人事は町長の権限であり、特別職(助役・教育長・収入役・監査委員)を除いて、議会の同意は必要としないし、自分としても、だれが適任であるとか、言うべき筋合の問題ではない。
  しかし、議会に参加しない8級職が他にいるのであれば、どうして、農業委員会局長と農林課長を別々におかないのかが理解出来ない。そして、農業者からもまた、同様の声が上がっている。


  さて、自分は、この3年間、農業委員として、また、議員として、様々な事項を見せてもらっている。今、どの業界も『景気が悪い』と言われているが、自分は、この余市という町は、農業を含む一次産業の景気が良くならなければ、町そのものの景気も回復しないのではないか?と考えている。

  農業委員は確かに選挙で選ばれ、議員と同じ当選証書をもらう事が出来、法律にもその権限が明記されている。
  しかし、議会と違う所は、会議に理事者である町長が出席しないという事にあり、いくら法律に明記されていようが、捨て置かれているのも現状である。

  今回、自分が選挙カーまで出動させたのは、様々な事由があるが、もっと町の人に考えてほしい。という事だけである。これは“農業に限らず”である。
  そして、議員は、恥をかくのも議員報酬に含まれると、自分は考えている。


  長くなってスミマセン。                                    7月8日・完

                                          


他の独り言をよむ