平成14年9月21日掲載
    ☆議案否決☆
  本年第3回の定例会が17日より20日までの4日間開催された。
  6月定例会が終了し、9月定例会開催までの間は、宇宙サミットや姉妹都市5周年事業等のイベントが多数あった事で、役場職員は多忙であったと思う。
  しかし、議会的には、暗礁に乗り上げるようなさしたる案件も無く、至って平和な空気が流れていた。
  昨年は国保・水道の値上げ、港保育所問題、さらには、次期10カ年の審議等があり、また、議会で直接係わりあいは無かったが、町内高校における、薬物問題と、非常に多忙を極めていた事が、ウソのようである。

  つまり、余市町全体としては、至って平和に進んでいたと思うが、定例会が近づくに連れ、再びテレビ・新聞の社会面を賑わすようになった。無論、良くない事項で・・・

  まずは、8月30日、北後志衛生施設組合で屎尿処理しれた汚泥の中から基準値を越えるカドミウムが検出。次に、9月3日、余市高校普通科の間口について、ついに1間口に削減される案が提示される。9月12日、町内の私立高校で再び薬物問題が発覚。また、この間には、余市ダムから自然には生息していないブラックバスの養魚が網にかかり、これが持ち込まれ、さらに、投網から持ち出されたのではないか?の連日の報道。

  なぜ、定例会前に様々な問題が噴出して来るのか?問題が出る度、議員としては「どうなっている?」と役場幹部や担当課に詰め寄る事になる。

  ただ、前掲の問題は、無論、町にとっては重要・重大な問題ではあるが、余市町役場が事の発端では無い事が唯一の救いであった。
  そして、結果がどうなるかは別して、それなりに、報告や改善しようとする動きがあり、カドミウムの問題については、とりあえず最悪の事態は避けられたことは“ホッ”としている。(壁新聞No63参照)

  議会は、事前に決まった事項の案件のみしか審議がされないために、幸か不幸か、前掲の諸問題については、定例会直前だったために、議員側も質問する用意が出来なかった事もあり、一般質問で取り上げたのは、自分の余市高校の問題と、熊倉議員のカドミウムの問題だけであったが、基本的に役場が直接事務を執行している事項ではないので、町長答弁もそれなりの範囲にとどまっていた。

  定例会の日程は、一般質問を始めに行い、最終日に役場側から提案された議案に対して審議が行われ、今回もそのように進んだ。無論、会期中には断続的に会派会議等が行われており、人事案件等の各種委員の選定等も、表面には出ないが、それなりのやり取りがあるが、毎度の事である。

  ただ、毎回そうであるが、一般質問も含め、審議の中では、相も変わらず、町長の言語明瞭・経過における経過に終始した理解不明な答弁が繰り返され、ある意味、自分も含め、(もしかしたら、自分だけかもしれないが)議員側の不満も多かったが、これもまた、いつもの流れであった。

  だか、最終日の役場側提案の議題で事は発生した。

  『議案第7号・余市町国民健康保険税条例の一部を改正する条例案』で、採決が行われ、結果、賛成6名、反対10名の大差で、否決されてしまったのである。

 
  この案件は、国で国民健康保険税の条例改正が行われ、その事務を行う市町村でも、条例改正を行わなければ、その通りに実施出来ない。という事で提案されたものであった。
  この改正国保税は、内容的に、ごくごく簡単に説明をすれば、国保税が値上げになる人と下がる人が発生する。
  現行で、限度額の上限の人は(介護を入れれば59万円の保険税を収めている人)変わらないが、平均的に見れば、年金受給者は2万円程の増額となる。反対に、青色申告の事業者は下がる見込みがある。

  さて、この問題も、判断が非常に難しい問題であり、判断に迷うところである。昨年、国保の値上げを実施し、(これについては、自分は賛成している。)多くの住民から『なんで値上げした?』と問いただされていたからである。
  国保は、高齢者の加入率が高く、また、今回提案された内容は、改正される条例の字句部分だけであり(提案は、いつも同じである。)改正後、想定される金額や対象の人員の資料は無い。

  この審議が終わってから、初めて聞いたが、9月6日に文教社会常任委員会が開催されて、この時に、『次期定例会に提案する。』と言った報告(あくまでも報告であり、質疑は無かった。と聞いている。)があったらしい。
  残念ながら、自分はそれを知らず、また、所属会派の民友クラブは、文教社会常任委員会の所属議員が不在であり、どんな説明や雰囲気であったのかは、まったく不明である。

  この問題で本会議で質疑をした議員は2名。民友クラブ・吉田豊議員と共産党・熊倉議員の二人のみであった。
  この二人の質疑に共通していた部分は、『下がる場合もあり、総てダメとは言い切れない。』『負担は高齢者の低所得者に集中する。』さらには、『住民に対し説明が出来ない。』であった。

  
  『住民に対して説明が出来ない』という事は、自分も同感である。採決に参加して、賛成・反対の表明に係わらず、可決成立すれば、議員は提案者と同じ責任を持つ事になる。
  負担を強いる事であれば、個人的にも納得出来なければならないが、町の世論がある程度納得してくれる状況を作ってもらわなければならない。また、住民に納得してもらえるだけの資料が手元に無ければ、住民に説明が出来ない。しかし、今回は、町広報においても、何も掲載が無かった。
  前年の国保・水道の値上げの時は広報にチラシを入れたが、今回はそれが全く無く、また、自分としては、質疑を聞いた範囲では、住民に対し、説得し、納得させれる状況では無いと考えた。

  また、町長は日頃の議会答弁では、自らの意思表示をせずに、答弁は『私』では無く常に『私共』であり、さらには『みなさんのご意見を聞いて判断する。』とも言っており、また、今の町長の良い所でもあるけれども、俗に言う“根回し”はせず、今回の議案に対しても根回しは無かった。

  国がやっている事がなんでも正しいのか?末端の市町村では、常に国の方を向いていなければならないのか?と言えば、そうではないと思っている。
  今、話題の住基ネットについては、横浜市を始め、約600万人のナンバーが不接続である。つまり、理事者たる市町村長の首長は、首長なるが故、その権限を持っているのである。

  さて、今回の案件に対しては、質疑については前掲のように質問者が2名のみであり、どちらかと言えば、反対する側の質問であった。それに対する、賛成に回るような質問も無く、その後に行われる討論についても、反対・賛成、共に無かった。そして・・・

  議長の『採決』の言葉が発せられ、結果、
  賛成6名  河原木五郎(公明党)佐藤博(町政クラブ)
         吉田広之丞・掘幸次郎・納谷準一・渡辺秀郎(新政会)
  反対10名 吉田豊・吉田浩一(民友クラブ)
         渡辺正治・熊倉義城・佐々木正江・中谷栄利(共産党)
         松原友香・岩戸てる子・佐藤敏(町民連合)
         佐藤一夫(町政クラブ)
 欠席者  藤井良一(所用のため。新政会)・
        白川栄美子(所用のため。公明党)
        島鉄雄(病気のため。町政クラブ)
 退 席   安宅俊威(監査委員として加わらず。民友クラブ)
   他、   野呂議長は立場上、採決に加わらず。欠員1名。

の大差で、決したのであった。

  この時、議場の雰囲気としては、『エッ?』という雰囲気であった。無論、質疑者の関係で、民友クラブ2名と共産党4名は反対に回ることが有る程度予想出来たが、まさか、大差で否決されるとは、特に、理事者側は予想していなかった事だと思うし、ある意味、議場にいた全員が予想外だった事であったという空気があった。

  その後、休憩に入ったが、助役以下の町幹部は顔面蒼白となり、特に関係課長の顔色は一変していた。事の重大さにおいてであり、また、『可決されるであろう。』という気持ちであったからに違いない。
  おそらく、この案件は全国一斉に提案されており、これが可決・成立しなかったのは、全国3300あまりの自治体の中で余市町のみかもしれない。


  さて、大谷町長就任以来、幾多の問題があり議会が紛糾。過去、何度もきわどい採決が繰り返され、否決されてもおかしくない状況下で、辛うじて、可決成立していたが、理事者側から提案された議案が否決されたのは、今回が初めてであった。

  今回の質疑に関しては、質問者への答弁は、総て担当課長が行った。つまり、提案者たる町長の答弁は一切聞かれなかった。自分としては、いつもは、「町長はこの提案に対し、どう考えているのか?」と質問をするのだが、今回に関しては、そうは思っていたがタイミングを失い、質問をしなかった。しかし、提案をした者ならば、担当課長のみだけでなく、また、否決されれば、自分の立場を自身で追い込むことが分かっていながら、町長は一切、この件に対しては一切、口を開かなかった。

  今回、否決された事は町長不信任と同様の意味を持ち、仮に、同じ内容で提案して来たとしても、当日欠席していた3議員が賛成に回ったとしても過半数を越えれない。どちらにせよ、ある程度の時間が必要であろうと思うし、また、議案の一部修正をするにしても、上級機関の見解も必要であろうと思う。

  議員、おのおのどのような考え方で採決に加わったのかは分からないが、その背景には町長の日頃の行政執行に対する不信感の蓄積が表れた結果だと思っている。
  無論、町長一人だけが悪い訳ではなく、役場全体として責任がある事でもあるが、町長は、選挙において、「古い体質は改善する」という公約を掲げ、そして、今でもそう発言していると聞き及んでいる。
  どちらにせよ、町長なるが故、責任を取らなければならない立場であり、それを自らの望んだからこそ、2度も選挙戦を行ったのであろう。
  自分としては『私共』では無く、『私』の考えを表明してほしい。ただそれだけを熱望する。


  町長の不信任案の提出?そんな話は、今のところありませんょ。
                    14年9月21日、午前1時30分・作成

                       

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