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独り言 平成24年3月5日UP
    ☆介護保険条例改正・賛成討論☆

 新聞にも掲載されましたが、2月24日に提案されて、介護保険条例の一部改正案。簡単に言えば、介護保険料の値上げです。

 この議案は、議員全員で審議する事となって、特別委員会が編成され付託される事となり、2月27・28日の二日間に渡り、審議されました。
 委員会は議長が除かれるために、17名の議員で行われ、採決は16名の議員によって行われ、結果として8対8の同数となってしまいました。
 そして、委員長である溝口議員が、『否決』をした事により、委員会結果としては、『否決』となりました。

 さて、委員会に付託された議案は、本会議で委員長報告がされた後、本会議で採決が行われます。
 今度は、採決に参加する議員数として、議長は同数の時に、判断しますが、17名によって、採決がされます。

 採決の結果、原案賛成が10名、反対7名という結果となり、新年度から、介護保険料が値上げとなります。

 『えぇ〜、なんで委員会で否決されたものが、本会議で可決になるの?』という声があると推測しています。
 大人数の議会の場合、委員会と本会議では、採決に参加する議員数が違うことによって、結果が変わる場合も、しばしばあるようですが、余市町の議会の場合は、委員会と本会議で、採決に参加する議員は同じです。

 つまり、委員会時点と態度を変えた議員が2名いた。という結果となりました。


 さて、さて、採決に前に行われる討論については、賛成・反対とそれぞれ出来るのですが、賛成討論は、以下の通りに、自分が行いました。また、反対討論は、共産党の佐々木議員が行いました。

 『相変わらず、長いなぁ・・』と感じられる事でしょうし、自分でも、作成していても、「いゃ〜、長い!」と感じているのですが・・・・でも、やってしまいましたぁ〜

 約7000字があるのですが、本会議では15分程度で、読みきりました。もっとも、数回、練習してこの時間になったので、いきなりやったら、30分は、かかるでしょうねぇ。


 それはさておき、この手の議案は、出来ることなら提案をしないでほしいものです。どっちに転んでも、厳しいことになるからです。

 また、この手の議案で、賛成・反対の種類は別として、討論をするのは、自分と佐々木議員が比較的、多いと感じています。
 自分としては、住民に対し、負担と求める事となる議案では、討論すべし。と考えているのですが・・・・


   ☆介護保険条例一部改正賛成討論☆
                   平成24年3月5日実施

 平成24年第2回臨時会付託、議案第1号 余市町介護保険条例の一部を改正する条例案について、賛成討論を実施致します。

 介護保険は高齢化に対応すべく、平成12年度から施行された制度であり、3年に一度、見直しがされる事となっており、今回で5回目の見直し時期を迎える事となりました。
 さて、第4期における余市町の介護保険の状況としては、給付が増えたことにより、北海道の財政安定化基金より2900万円の借り入れをして運営する事態となってしまいました。
 これは、当初計画より、介護認定者が増えた事、つまり、予想より高齢化が進んでいることの現れで、余市町の高齢化率も、人口に締める割合で、現時点で31.00%となっており、3年後の平成26年では34.61%という見込みとなっております。
 高齢化が進めば、当然ですが、介護保険が使われる回数も増えるという事につながりますが、これは、負担割合の制度として、公費が50%、保険料で50%となっており、さらに、よりよい介護サービスを提供する事は、給付が増える事となって、結果として、保険料の増大につながるという制度的な問題点があります。

 さて、第5期の余市町の介護保険計画としては、高齢化に伴い、給付増を見込み、さらに、第4期における、北海道からの借入金の返済をするために、また、新たに所得に応じた応分負担を求める事とし、8段階から9段階へと細分化がされました。
 その結果、保険料の年額として、もっとも安い第一段階では、保険料の値引き分である、割合が0.5で年額26,700円だったものを、割合0.47で年額31,300円の4600円増加。
 中間となる第4段階の2では、割合を1.0の年額53,400円から、割合は1.0で年額66,700円で13,300円増加。
 もっとも高い段階では、割合1.77の年額94,500円から、割合1.88で125,000円と30,800円の増加となっております。
 対象とする保険者数、これは65歳以上となりますが、第4期までは、年間6665名と推計されましたが、第5期においては、3年間の推計で21084名、年では7028名となり、第4期との比較では年間363名が増える見込みとなっております。

 さて、介護保険は給付の割合としては、国と保険料が5対5となっていることから、利用されれば、それだけ保険料に跳ね返る仕組みとなっている事から、現在の給付から推計すれば、それに見合うだけの保険料を徴収しなければなりません。

 ですから、今回の料金改定の理由としては、理解出来る側面もあります。ですが、本当に、これだけの値上げが可能なのか。と考えたときには、非常に判断に悩む所であります。
 これだけ景気が冷え込み、経済的には閉塞感がただよう。国会の様子も、衆議院と参議員では与野党議員の数が逆転している事により、現在の民主党政権の運営もけっしてスムーズとは言えない。
 また、高齢化も一段と加速する中で、高齢者の主たる収入である年金についても、その行く先は極めて不透明。
 そして、医療系だけでなく、生活上において直接かかわる部分の各種増税もあいまって、『自分の生活は、自分で守るしかない』との考え方も強くなって来ているのが、実態ではないでしょうか。

 そのような背景の中で、今回は、後期高齢者医療保険も、4月からの値上げとなり、後期高齢者医療との合算では、昨年との対比で、第1段階では年額4900円の増加。中間の第4段階の2では18,300円の増加。もっとも保険料が高い第9段階では、48900円の増加で、介護と医療とを合わせば、年額、64万円を越えるこことなります。
 本当に、これだけの金額を払う事、そして、役所側から見れば、本当に徴収する事が可能なのかと懸念されます。
 近年の介護保険料の徴収率に関しては、以前は無かった未納滞納が増加、その額として累計で967万円となっており、中間段階である第4段階、第5段階での滞納累計で406万円となっており、このような状況もあって、収納率としても95%台となっております。
 そして、第5期では現年度分の収納率に関し、98%の収納率を見込んでおり、これは、全国統一的な数値として出されているのですが、本当に、現実可能な数値なのかと感じております。


 さて、介護保険は、サービスメニューが無ければ、それだけ使われない。使うことが出来ない。という面もあります。
 ですが、余市町の実態としては、入所型施設としては、大規模入所施設が3カ所、医療系入所施設が3カ所、さらには、グループホームが7カ所。この他にも、送迎や各種サービスを提供する訪問介護事業所が8カ所、通所介護事業所が10箇所あります。
 これでも、施設入所の要望として、入所待機者が約300名もいるという現状もあります。
 現実的に即時入所する必要がある方が300名もいるとは考えにくいのですが、要望としては、間違いなくあります。
 では、どこまでサービスを提供するのか。この判断が、これからの介護保険を運営して行くために最も、求められる事項ではないでしょうか。

 さて、余市町の介護保険のサービスメニューとしては、第4期においても、都市部よりは、少ないものの、管内の他町村との比較では、介護予防事業でも、また、包括的支援事業としても、提供サービスは多い方となっております。
 では第5期においては、どうなのか。ですが、第4期の事業をそのまま継続するという事になっています。
 新規事業や新しいサービスをする事は、保険料に跳ね返る。という事で、それは行わず、『今までの事業をより、充実して行いたい。特に、介護予防という面で、積極的に取り組んで行きたい』との理事者側の答弁がされております。

 必要とされるサービスは何なのか。また、今の事業で不要なものはあるのか。という点については、例えば、住宅改修においては、介護ではなく、一般会計の中で、住宅リフォームという形でも提供出来るはずです。
 さらには、現在の介護予防事業についても、参加する高齢者は、老人クラブ等に入会している方に限られているという実態もあるのではないでしょうか。
 これに対しては、住宅改修に対し『民生部だけではなく、各部とも話し合いをした結果によるものである』との答弁でしたし、介護予防事業では『各地の大学や民間企業との協力も得て、現在のプログラムでは定員を上回る方が集まって来てくれている』との答弁がされております。

 ですが、本当にそうなのでしょうか。介護保険を利用する側、また、事業者の側から見ても、また、介護に携わっていない者から見ても、『あそこがおかしい』『ここがおかしい』という声が上っているのも事実です。

 保険料を支払う側としては『使いたくても、すぐに使える訳ではないものに保険料を支払わなくてはならない』という声。
 サービスを受けている側としては、『少しの用事も『メニューにないので出来ない』と言われ断られる』という声。
 事業者側としは、『現在の制度では、助けられる人も、助けれない』また、『現在の制度では、事業として成り立たない』という声。
 事業の雇用側としては『労働と賃金が合っていない』
 一般から見れば『あの人に、あんなサービスが必要なのか。あの事業は必要なのか。あの事業者は不正をやっているのではないか』という声もあります。
 そして、不正受給のニュースや事業所の免許取り消しの行政処分も、けっして少なくないのも事実であり、介護に携わる事項に関しては、どちらかと言えば、悪い話しか聞こえてこないのも、実態ではないでしょうか。

 介護保険としての制度的な問題もあり、これに対し町長は『あらゆる機会を捕らえて、要望して行く』との答弁ですが、答弁としては理解出来るものの、現実には、今の状態で、なんとかやって行かなければならないのではないでしょうか。

 保険者である余市町が、どう考えるのか。どうしたいのか。単に『ご理解下さい』ではなく、強い意志と明確な方針を出し、回りが『そうだよねぇ』と納得してくれるような、計画を出してくれなければならないのではないでしょうか。

 第5期にかかわる、余市町のサービス内容としては、本当にこれで良いのか。また、保険料は本当に妥当なのか。そして、これは、本条例案とは直接関係はありませんが、最近の余市町の議案の提案の仕方は、極めて限られた時間の中で、審議をしていかなければならないのは、なぜなのか。
 原案作成から、提案までは、それなりの時間が必要な事はわかりますが、議員としては提案されたものを、様々な角度から検討していかなければならない。単に委員会を開催して審議すれば良い。というものは無いのではないでしょうか。
 時間的には余裕をもって審議をしなければ、良いもの、良い関係は築けないのではないのでしょうか。


 さて、議案に対しては、賛成・反対のどちらしかなく、また、今回の条例改正案つにいては、非常に難しい判断をしなければなりません。
 計画そのものは良いとしても、では、保険料はどうなのか。保険料に見合う事業をどう選択して行くのか。
 余市町としては、事業やサービスはそのままで、保険料という視点から、今回の改正案を提案したという事になります。

 今回の条例案を否決するとした場合ですが、どちらにしても、高齢化が進む事によって、サービスを受けようする方は増えて来ます。
 つまり、サービス内容を変えないとするならば、会計的には赤字となって行くでしょうし、この部分については、『3年間で2億円の赤字が見込まれる』という答弁がされております。
 そして、赤字が発生すれば、いつかの時代には精算をしなければならず、改正時には倍増して値上げをしなければならないということが推測されます。
 では、給付総額をそのままとするならば、必要とされるサービスを減らさなければならない、つまり、今まで受けていたサービスすらも受ける事が出来なくなる。という事となります。

 どれが良いのか、つまり、値上げなのか、先送りなのか、サービスの低下なのか、は、それぞれのポジションによって、考え方が違うと思います。
 しかしながら、保険の本来の目的は、介護を必要とする方に、必要なサービスを提供するのが、介護保険の目的であり、高齢化がさらに進捗する中で、介護認定を意図的にしなかったり、給付の抑制をする事が出来るものなのかといえば、これも出来ないと判断出来ます。
 では、先送りをするとして、また、町長の答弁があったように、『あらゆる機会を捕らえ、制度改正を国に働きかける』としたとしても、現在の制度が変わる可能性はあるのでしょうか。
 現在の民主党政権から、再び自民党政権に戻ったとしても、根本が変わらない限り、つまり、人口に占める高齢者の割合が変わらない限り、変えようが無いのではないでしょうか。
 つまり、先送りをすれば、いつかの時代に精算しなければならなくなり、これが出来なければ、不備な点があろうとも、制度としては、現在の形を維持して行くことが、重要な事であると考えます。


 今、介護保険に本当に必要とされるのは、何なのか。本来的には、アンケート調査などをして、本当に必要なサービス探る。というのが、本来の姿であったと感じます。
 さらには、現行の制度の中で、制度の不備を嘆くより、制度の中で、どう工夫をするのかという問題ではないでしょうか。
 例えば、討論の始の方に申し上げましたが、住宅改修を一般会計から行う。また、配食サービス、外出支援、買い物支援等の実施には、介護保険以外のコミュニティビジネスとして位置付け、安価に提供出来るように、民間事業者を育成する。という手段もあるはずです。
 そして、この部分、つまり、現在の介護保険では、要支援に分類される方や、包括的支援事業について、国としては改正も視野にいれている。つまり、『町村が勝手にやって下さい』という事になると推測しています。

 将来的には、さらに厳しい運営をしていかなければならない可能性の方が強く、だとするならば、現状の余市町の介護保険では、対応出来ない。制度として崩壊してしまう。そして、一番不利益を被るのは、制度を必要とする高齢者となってしまうのではないでしょうか。


 さて、今回の特別委員会における委員会採決の結果としては、可否同数であり、委員長によって、否決されました。
 値上げをするのか。先送りをするのか。はたまた、サービスの中身を切るのか。ということは、そのどれを選んでも、判断は難しく、議員、各々、熟慮の上、決断した結果だと思います。
 本当の介護の形とは、いったい、いかなるものなのか。本来は、その要望を把握した上で、つまり、アンケート調査なりの結果に基づくものとするならば、それに近い形が理想だと言えます。

 ですが、今回の改正に当たっては、アンケートが取られなかったものであって、そのような経過のなかで、第5期の素案を作る中では、『余市町高齢者福祉計画・介護保険事業計画推進懇談会』が組織されております。
 この懇談会の委員には、介護に従事する方が集まって話し合いが持たれ、事業の中身としては、合意に達した。という事であれば、実務側、つまり介護の実務を提供する側としては、『妥当な事業』として判断したといえます。
 事業として妥当ならば、あとは保険料ということになりますが、これだけの事業を提供するには、値上げはやむをえない。とも判断された事となります。

 どの手法をとっても、難しい判断でありますが、制度としては、現在の介護保険制度を維持していかなければならないとう判断の下、また、料金改正をしなければ、結果として、今、介護を受けておられる方も、サービスの低下や停止という事にも繋がるという事となれば、これは、なんとしても避けなければなりません。
 今回の条例改正に対しては、苦汁の選択をもって、原案可決としなければならないと感じております。
 ですが、現在の手法では、いずれ、立ち行かなくなることは明白であり、余市町として、今後どうするのか。という事を明確にして頂きたい。
 そして、今回の値上げについては、賛成する側としても、やむに止まれない所にあるという独自の判断であり、理事者側は住民に対して、今回の値上げをどう説明をするのか。
 過去の議会答弁では、『インターネットや広報で』との発言をしておりますが、対象者としては、高齢者ばかりである事から、職員一人一人が、対象世帯を全戸回るくらいの気構えが無ければ、とても理解を得られるものではりません。
 理事者側は、よくよく考え、事に当たられる事を強く要望し、原案可決と致したく、賛成討論と致します。
 議員諸兄の賛同を求め、討論を終了させて頂きます。