独り言 平成17年10月23日UP
   ☆請願書と紹介議員☆

 住民が行政に対し、意見を言う手法としては、様々な手法があるが、その中の一つとして“陳情”“請願”という手法がある。
 請願は憲法第16条に規定された国民の権利として公の機関に対して要望を述べる行為の事をいい、地方議会に対しては紹介議員が必用。とされている。
 これに対して陳情は事実上の行為として議員の紹介無しに提出されるものであり、一般的には陳情の方が圧倒的に多いのが現状である。

 では、陳情と請願は具体的にどう違うのか?であるが、前掲のように、紹介議員がいるかいないか?であって、中身的には同じであるが、提出先が、自分の住んでいない町に対して提出するのであれば、紹介議員を付けて“請願”という事になるであろう。
 なぜなら、請願でも陳情でも、その議会なり委員会で審議する時に、趣旨説明を求める場合があるからである。


 さて、請願と陳情に関しては、余市町の場合は陳情が圧倒的に多い。まぁ、内容的には『〇〇に関して、値上げをしないでほしい』という、どちらかといえば、民生関係の陳情が多いが、過去においては『議員定数の削減』の陳情も出た事があるようである。

 陳情でも請願でも、提出されれば、本会議を経由して、所管の委員会に付託される事になり、この委員会の中で、審議される事になる。
 そして、委員会の結論としては“採択”か“不採択”という結論を出すことになるが、前掲のように民生関係の陳情が多い事から、多くは、町の条例改正に伴う場合に提出され、陳情書としては、その条例が可決されれば、みなし“不採択”とされてしまう。

 さてさて、10月21日に、余市町議会第5回臨時会が開催された。
 議案としては教育委員の任命同意、補正予算、各種基金運用状況等であった。
 教育委員の任命については、前任者の任期満了に伴うもので、新たに、教育委員として久保浩氏・53才が任命された。
 補正予算については斎場(火葬場)の機械室にアスベストがある事から、この除去経費が330万円の計上であった。尚、機械室という事で火葬場の裏側という事で一般参列の方は入らない場所となっている。
 そして、他の案件も含め“質疑無し”で本会議は終了したのだが・・・・


 今回の臨時会において、請願書が提出されたのであった。以下、議案の全文である。


請願第1号

障害福祉サービスを利用する利用者の負担増に反対する請願書

上記請願書を受理したので、本議会に付議する。

             記
1,受理年月日     平成17年10月14日
2,紹介議員      吉田浩一
            佐々木正江
3,請願者住所・氏名  小樽市稲穂4丁目1番2号
            小樽身体障害者福祉センター内
            聴覚障害者「自立支援決案」後志地区対策本部
            本部長 米谷  正
            余市町大川町12丁目2番地
            余市地区代表 明井 淳一
4,請願の要旨     別紙のとおり

 平成17年10月21日提出
                余市町議会議長 安宅俊威




   障害福祉サービスを利用する利用者の負担増に反対する請願書
請願趣旨
 障害保健福祉改革の大きな柱である「利用者の定率負担方式」の導入は、きわめて所得水準の低い「ろう重複障害者等」にとってサービス利用の抑制、さらには自立の阻害につながることが明らかです。
 ろう重複障害者の所得保障が不十分な今日の状況を踏まえ「利用者の定率負担導入に反対すること」を求めます。
 これまで障害福祉サービスの利用者負担は、利用者の所得に応じた負担(応能負担)の方式をとっていましだが、今回の改革は、障害保健福祉改革の名の下に原則としてサービスに要する経費の10%の負担(定率負担または応益負担)を利用者に求める方式に変えようとしています。
 この方式はサービスを利用すればするほど負担が増える仕組みとなっていますので、障害が重いために多くのサービスを必要とする障害者の負担はより大きくなります。
 重度の障害者は障害福祉サービスによる介助を得てもハンディがすべて解消されることはなく、健常者と同じ暮らしにはなりません。にもかかわらず障害福祉サービスを「受益」とし、負担を求めようとする考え方は障害者の自立と社会参加を阻害する懸念が極めて大きいと言えます。このことにより障害福祉サービスの利用者に対する定率負担を導入しないよう、国に働きかけていただきたく強く要望します。
 以上の趣旨により次の事項を請願します。

請願事項
1,定率負担を導入しないよう国に働きかけてください。

 2005年10月14日
            紹介議員
            余市町議会議員吉田浩一
            余市町議会議員佐々木正江

            請願者
            小樽市稲穂4丁目1番2号
            小樽市身体障害者福祉センター内
            聴覚障害者「自立支援法案」後志地区対策本部
            本部長 米谷 正
            余市町大川町12丁目2番地
            余市地区代表 明井 淳

余市町議会議長 安宅俊威 殿
               平成17年10月21日



 なんと、自分と佐々木議員が紹介議員となり、自分にとっては初めての請願の紹介議員であった。

 この紹介議員の経過については、少々、訳あり”であった。
 この請願については、全国的な運動を展開している。との事であって、その関係で、各地の議会に対して、請願がされているようである。
 陳情で無くて、請願にしている理由として、聴覚障害者とろうあ者から出される。という事で、委員会に呼ばれて、質疑をするのには支障がある。との事判断で陳情として紹介議員を付けて行ったと判断している。
 全国展開の運動という事で共産党がかかわっているのではないか?と推測しているのだが、実は、この請願については、当初、自分の所に持って来られたものでは無かった。

 余市町議会への請願については、当初、共産党議員団と、野呂栄二議員の所に話がもって行かれた。
 野呂議員からは、会派に対して『知人から請願を依頼をされたので、紹介議員になりたい』と相談が持ちかけられ、「紹介議員になると、委員会で答弁しなきゃならないよ。その答弁する覚悟があればイィんじゃぁないの?」と答えて、野呂議員も承諾したのであった。

佐々木正江議員は平成11年の同期当選です。写真は今年2月の予算委員会のものです
 
野呂栄二議員。一期生議員の中では、会派の土屋議員と共に、一般質問を休まず実施しています。写真は10月18日に蘭越町で開催された農業委員会研修会のものです。

 また、共産党では、佐々木議員が紹介議員となる事と決まったそうで、2名の紹介議員で請願を受ける事となったのであったが、事務局に持って行くと『この請願は民生環境委員会に付託ですので、野呂議員は民生環境の委員なので、紹介議員になれませんよ』と言われてしまった。
 う〜ん、そこまで気が付かなかったのだが、今更、『受けれません』という訳にも行かず、野呂議員の“代理”という事で、自分が紹介議員に名を連ねる事になったのであった。


 さて、この請願は、タイムリミットがある請願であった。つまり、この法案の国会審議は、前期の国会で審議中だったけれども、俗に言う“郵政解散選挙”の解散で、一旦は廃案となったが、今期の臨時国会で再提案をされ、参議院では審議終了で通過しており、現在、衆議院で審議中である。
 国会の審議がどう進むのかは分からないが、自民・公明が2/3を占めている衆議院情勢を考えた場合、可決・成立する可能性が強く、また、現在の国会の会期は、11月中旬頃までのはずである。
 
 今回の請願は、請願内容としては『余市町議会として、国に働きかけてほしい』というものであって、現在の国会審議が終了する時点までに、余市町での審議を終了させなければ、自動的に『取り下げ』という事となる。

 
 次の定例会は12月という事で、すでに国会は終了していると推測され、たまたま、今回、臨時会があった事から、この請願が議案として上程される事となったが、実際の審議はいつになるのかは、分からなかった。
 なぜなら、この請願は民生環境委員会に付託され、この民生環境委員会が開催されなければ、審議は出来ないし、さらに、委員会の開催招集権は議長では無く、委員長が持っているからである。

 野呂議員の代理で受けた紹介議員であり、正直な所、「う〜ん、困った」というのが正直な所である。
 なぜなら、国会の進み具合、また、法案の中身も含め、よく分からないからであった。


 委員会が開催されれば、紹介議員として、委員会に呼ばれる事が推測されていたが、いつ委員会が開催されるのかは、まったく音沙汰も無く、呼ばれる準備もしていなかった。
 ところが、臨時会の前日に、佐々木議員から『明日の臨時会で本会議を休憩して、委員会をするかもしれないよ。連絡、入って無い?』と電話が入って来た。
 「まったく聞いてないぞ〜!!」と返事をしたけれども、さあて、困った・・・。代理といえども、一旦受けた以上「代理ですので答えられません」は通らないし、紹介議員としてのメンツもある事から、急遽、パンフレットを開いて、お勉強〜〜という事となったが、うーん、頭に入らない・・・・・


 という事で21日を向かえてしまった。

 前期は議会運営委員長という事で、日程は自分が決める事が出来たのだが、今回は議運の委員でもない事から、まったく分からない。
 21日の臨時会開催に当たり、17日に、議会運営委員会が開催されており、その中で、今回の請願の扱いが検討されていたと、後で聞いたのだが、21日当日は、一般の議案をある程度進め、今回の請願が本会議に上程され、民生環境委員会に付託された時点で、本会議を暫時休憩して、この扱いをどうするのか?という事を委員会で決める事となっていたそうである。



 さて21日は、午前10時に開会して、この請願が本会議に上程され、民生環境委員会に付託された時点で、本会議は休憩に入った。時間は午前10時30分。
 そして、すぐに民生環境委員会が開催されて、その取り扱いが協議された結果、委員会に招致されることが決まったのであった。
 ここでも、議会のルールということがあって、以下の文面が発行された。


紹介議員 吉田浩一殿
             余市町民生環境常任委員会
             委員長 渡辺 秀郎

   紹介議員の民生環境常任委員会への出席について

 本委員会は、請願の審査上、紹介議員の貴殿に説明を求めることとなったので、下記により出席されるよう会議規則第92条第1項の規定により要求します。

             記
1.請願件名  平成17年余市町議会第5回臨時会付託
  詩願第1号 障害福祉サービスを利用する利用者の負担増に反対する
        請願書
2.日  時  平成17年10月21日(金)午前11時40分
3.場  所  余市町議会委員会室



 時間が中途半端な時間となっているが、これは、委員会に実際に入る時間となっていて、事前に委員長から『すぐに出来ますか?』と問い合わせが来て、これに応じた結果、この時間となったのであった。

 さて、委員会では佐々木議員と共に入室したが、初めてわかったが、今日の委員会には聴覚障害者が3名と手話通訳が2名、傍聴に入っていたのであった。
 そして、最初に委員長から『補足説明はありますか?』と聞かれたので、自分は佐々木議員とで、それぞれに補足説明をし、正午となったので、『昼休憩』となった。


 午後1時から再開され、所属委員からの質疑が求められたが、中井議員のみが、3回の挙手があったが、他の委員からは質問は来なかった。

 中井委員の質問は『障害者の自立をどう考えるのか』『請願を受けた時点で現実可能な請願なのかどうか』『慎重審議が必用ではないか』等々の質問がされた。

 これに対しては「聾唖者の自立には手話通訳が必用であって、この法律が成立すれば、定率負担となり、外見上は聾唖者は一般の人と変わらない事から、障害2級者が多く、障害者年金も少ない現状がある」「請願事項としては、定率負担導入をしないでほしい。という事を国に働きかけてほしい。というものであり、国会審議が終了してしまったら、請願の意味が無くなる。紹介議員が呼ばれたのは慎重審議のためではないか。そして、紹介議員を招致して質疑をする事は、民生環境委員会が決めた事である。民生委員会の委員長の出席要求によって、我々(佐々木・吉田)は出席しているものである。こちら側としては、あくまでも、国会審議終了前に、民生環境委員会における請願書の審議についは、結果は別として、終了してもらう事をお願いしたい。」と発言し、佐々木議員も同様な発言をしたのであった。


質疑では相当引きつった顔というか、コワイ顔で答弁していたでしょうねぇ。
写真は2月の会派報告会のものです


 中井議員以外の議員からの発言は無くなった事もあり、その後、『紹介議員への質疑はありませんか?無ければ、紹介への質疑は終了致します。』という委員長の言葉が発せられ、今回の請願に対する、紹介議員への質疑は30分もかからずに終了したのであった。

 今回の委員会については、紹介議員という立場があったので、あえて傍聴はしなかったが、その後、委員会質疑としては、『慎重審議が必用だ』『理事者を呼んで質疑をすべし』『今回の請願は、余市町議会に出されたものであり、理事者側を呼ぶ必用はない』等々のやり取りが繰り広げられと聞いているが、結果として、委員会内で全会一致が出来ず、““質疑打ち切り”が決まり“委員会採決”が行われたのであった。


 民生環境委員会の結論としては、かなり時間がかかったが、全会一致を持って『採択』という事になった。

 委員会審議が終了したという事で、議会運営委員会を開催して、この委員会結果報告の議案の追加をして、本会議再開が3時30分であった。

 委員会で全会一致であった事から、本会議でも、全会一致となったが、ここで再び、本会議が休憩となった。

 余市町議会で請願書を採択した事により、余市町議会として、国に対して行動を取らなければならない。という事で、具体的にどうするのか?という事で『意見案の提出』という事となり、この意見案の内容について協議をする事となった。

 大体の素案は出来ているが、各会派におろされた上で、全議員に確認した結果、原案は訂正される事が無く、本会議で諮られる事となった。

 これを受けて、議案の追加という事で、本日2回目の議会運営委員会が開催され、議案の追加がされ、本会議でも、全会一致で可決されたのであった。


 尚、本会議で可決された意見案は、下記の通りである。


      障害者施策の充実を求める要望意見書

 さきの第162回通常国会に提出後、衆議院の解散に伴い廃案となった「障害者自立支援法案」については、現在、開会されている第163回持別国会に再提出され審議が行われていますが、これに対し障害者やその家族などから懸念の声が寄せられています。
 これまでの所得のみに応じた「応能負担」から、所得とサービス量に応じた「応益負担」ヘと見直すことについては、個別減免や祉会福祉法人による軽減措置等が明らかにされたものの、「ろう重複障害者等」を初め、きわめて所得水準が低い重度の障害者にとってサービス利用の抑制につながることは明らかです。
 重度の障害者は、障害福祉サービスによる介助を得てもハンディがすべて解消されることはなく、健常者と同じ暮らしにはなりません。また、所得保障が不十分であるにもかかわらず、障害福祉サービスを「受益」とし、負担を求めようとする考え方は、障害者の自立と祉会参力日を阻害する懸念が極めて大きいと言えます。
 よって、国においては、障害者やその家族など関係者の声に耳を傾け、きめ細かな低所得者対策、激変緩和措置を講ずるなど十分に理解と納得が得られるよう段階を踏みながら、障害のある方々の自立に向けて、真に安定した総合的な障害福祉サービスを提供できる体制の整備に最善を尽くされるよう強く要望いたします。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成17年10月21日
北海道余市郡余市町議会議長 安宅俊威

[提出先]内閣総理大臣、厚生労働大臣




 請願の紹介議員としては、これから先、国の結論は別として、依頼された通りに進める事が出来た事は、その任を果たせたと安堵している。



 さて、この意見案は、総理大臣と厚生労働大臣宛てに郵送されるのであるが、この意見案がどの程度の効果があるのかは、非常に疑問であるのは事実である。
 ました、国会では、自民党公明党が2/3を占めている以上、法案の撤回は難しいと考えている。

 今回、聾唖者からの意見として、強く主張したい。という事は、『これから別な障害を持った場合、私たちは、聴覚障害の他にも合わせ持つ事となり、この場合、定率負担が導入されれば、二重に支払わなければならない』というものであった。
 確かに、病院に行くのにも手話通訳者が必用とされる事から、定率負担が導入されれば、手話通訳にも定率額が必用となり、倍のお金が必用となると推測されるのだが・・・


 最終的に国は、今回の制度改正も含め、介護保険と一元化をもくろんでいると推測している。
 現在の介護保険は、それを利用する側の立場になっていない事は、はっきりしているが、法律が施行され、また、それに基づき、末端町村でも、その制度に合わせざるを得ない。
 そして制度に逆らえば、その分の経費は町村が負担しなければならず、これからの時代、各種財源の削減と一般財源化は進むと推測される。

 今回の法律が、実際に、いつ施行されるか、また、その内容も含め、最低でも、現状維持をしてもらえればと考えているが、それは、小泉政権が続く限り、無理な事項であろう。
 その歳、今回の法律改正が介護保険と同様に、町村でも新たな条例等の施行実施がされるのか、どうかは、現段階では分かならいが、その可能性が強くなるのではないか。
 その場合、町条例に対して、反対を表明出来るのか?と考えた場合、議員としては非常に難しい判断を迫られる事になる。



 さて、今回の請願については、今回、新たな問題というか、これからどうするのか?という事項も発生した。
 今回の請願書の提出から、本会議の可決までは、前掲の通りであるが、過去において、余市町議会で、このように短期間で可決された事例はあるのか?という事である。
 古い先輩議員に「今回のようなやり方は、過去にあったんですか?」と聞いた所、『うーん、あったとしても1回か2回だろうなぁ』と詳しくは覚えておらず、もしかしたら初めてだったかもしれない。

 確かに、国会閉会前に終わらさなければ意味が無い案件であった事であり、たまたま今回は、臨時会がタイミング良く開会されたが、臨時会が無かった場合は、どうするのか?

 請願を受ける場合のタイミングとう点でも、たま、紹介議員となる事も、無責任に受ければ、かえって迷惑をかける事になりかねない。

 どちらにせよ、全会一致で可決されて終了出来たことだけは、良かった事である。


 いゃ〜、相変わらず長くなってスミマセン。ちなみに、今回の文字数は、9000字まで行っていないと思いますが・・・・ごめんなさい。う・・う〜っ、腕と背中と首が痛いです。



他の独り言を読む