平成15年3月9日掲載
  ☆介護保険値上げの採決について☆

 平成15年第1回の定例会が3月7日に始まった。最初の議案は、前回の臨時会で提案されていた介護保険条例の一部を改正する条例案の本会議採決である。
 採決結果は9対6の賛成多数で可決された。
 これにより、4月1日より、介護保険料金が値上げとなる。


 これに先立ち、2月20・21日と介護保険の料金改定についての議員全員出席(議長は除く)の特別委員会が開催され、その中で集中審議が行われた。

 介護保険は平成12年度から始めて実施された新しい条例であり、法律によって3年に一度、見直しをする決まりになっており、各自治体で見直しがされている。場合によってはかなり保険料が値上がりする自治体もあるようである。

 さて、余市町の介護保険料金については、平成12年に実施されて当時は、保険料金としては、やや高い方であったが、今回の見直しについては、値上げをする事になったが、その割合としては、他の自治体と比べれば、値上げ幅も小さいようである。
 先に高かったのか、後から高くなのるのかの違いだけかもしれないが、14年度末の収支見込みとしてはプラス・マイナス“0”であり、先見の目があった事には違いなく、役場職員の能力の高さをかいま見ることが出来るのではないだろうか。

 さて、今回の介護保険の条例改正については、賛成・反対、それぞれの意見がある。値上げに賛成の意見としては『使っている者ですべてをまかなえ』という意見で、この意見は、介護保険料を支払っていない若い世代である。
 値上げに反対の方は、『ただでさえ、年金も少なくなっているのに、これ以上の負担は耐えられない。』との事で、これは高齢者になればなるほど、その割合は高くなる。

 負担が増えることはだれもが歓迎する事はありえない。しかし、国保のように値上げ時期を逸すれば、将来に負担が残されることは明白である。

 非常に難しい採決である事だけは確かであり、出来るなら採決に加わりたくないのが、本心であるが、イエスかノーかを決めなければならないのが議員の使命である。


 さて、20日、21日に行われた集中審議において、自分は、過去の審議とまったく違う態度を取っていた。
 今までの審議では、最初に挙手をして、1番に質問をしていたが、今回は、あえてそれをしなかった。
 なぜ、しなかったのか?といえば、まず、前以て、賛成・反対のどちらも決めていなかった。次に、質問をすれば、間違いなく町長と意見が対立する事が予想され、そうなると、間違いなく反対となる事は明白である。
 それと、もう一つ、数日前に町長の態度に対し
ムッとした事があり、心理的には立ちたくなった事があった。

 2月19日、第2回の臨時会があったが、この時の最初の議案は、昨年12月定例会で、文教社会常任委員会に付託になって国保3条例の本会議採決があった。
 この国保3条例は本来、10月1日より施行しなければならず、つまり、9月30日までに提案・可決成立させなければならなかったものを、担当課のミスにより、12月定例会に文教社会常任委員会に付託されたもので、委員会審議が終了した事により、本会議採決となった。
 採決結果は、所属会派の民友クラブと共産党が反対をしたが、賛成多数で可決したものであった。

 事件はこの本会議採決の後に起こった。

 この19日、本会議は12時過までかかったので、すぐに昼休みとなった。そして、午後からは翌日の21日から始まる介護保険の特別委員会の委員長選出等があった。
 午後1時から介護保険の特別委員会が開かれたが、委員長選出と、審議に必要な資料の請求で、特別委員会そのものは1時間ほどで終了。明日から審議が始まる事となったが、委員長の『本日の審議はこれまで。明日は午前10時から開会します。』と終わった直後、町長が議員席の方を回り出した。
 本会議場はひな壇となっているが、この手の委員会は、コの字に番号順に座っている。町長の一番近くの番号は、1番で吉田豊議員、次が2番で自分であり、以下順に続いて、最終番号は22番である。
 本会議場は、ひな壇で会派ごとにまとまっているが、コの字になると、議席番号順なので、会派が入り乱れる事になる。
 
 さて、委員長の終了宣言が出た後、町長が回り始めたが、先ほどの本会議採決において、賛成した議員のみに対し、『ありがとうございました。』と頭を下げて行き、反対した議員にはシカトをして行ったのであった。
 その町長の態度に接し、気分が良い訳が無いし、売られた喧嘩は買ってやりましょう。
 

 そんな事もあり、心理的には起立したくなかったのだが、質疑をする者も少なくなって来て、賛成か反対か、いよいよ審判を下さなければならない時が近付いた。

 最後の最後までどうするのかを考えて、心理的には賛成してやりたくなかったが、最終的には会派会議を開いて、会派3名で議論し、会派として賛成することを確認した。



 しかし、賛成するのであれば、反対する以上に、賛成する根拠が必要であり、この点をどうするのか?まして、自分はこの介護保険の新規提案の時、賛成討論をした事もあった。関連した条例で態度を変えるという事であれば、それなりの理由が必要でもある。
 町長に対しての私的感覚。過去に賛成討論までして賛成した事。さらには、このままで行けば赤字が増すこと。
 さまざまな思いがあったが、町長の腹は決まっているだろうと予測し、町長に質問をして、賛成する事を会派で決めたのであった。


 だが、しかし、この期待は見事に裏切られたのであった。

 自分は、次の2点の質問をした。
1,町長はこの条例に全責任を取るのか?
2,介護保険料金を収めていない者がおり、収めていない者が介護が必要になった時に、どうするのか?

 これに対する町長答弁としては、1点目は『提案をした責任はある』。2点目は、担当課長は『税務と相談のうえ、滞納が内容に務めます。』との事であった。
 当然、納得出来る答弁では無いので、再質問をした。
 「提案した責任は当たり前の事であり、そんな事を聞いている訳ではない。可決されたと過程し、その責任を負うのか?と聞いている。また、2点目の質問に対しては、担当課長の答弁としては解るが、町長はどうなのか?」
 これに対し、町長は『提案の責任はある』と同じ答弁を繰り返し、『税務と相談して滞納がなきようにします』と担当課と同じ答弁をしたのであった。
 質問は3回出来るので、もう一回、「そうではない。可決してほしいから提案しているのだろ。条例に対する町長の腹はどうなんだ。介護が必要となって死にそうになっても、ほおっておくのか?」と最後の質問をしたが、町長の答弁としては、2回目の答弁を繰り返すのみであった。


 町長はどんな時でも、どんな場合でも住民の生命・財産を、守らなければならない義務と責任があるはずである。
 無論、義務と権利という事があり、介護料金を払っていない者が、その権利を主張する事は出来ないが、人道的に、そのまま見捨てる事が果たして出来るのか?
 自分としては最低でも、『そうなった場合は、責任を持って対処する』との答弁を期待したのであったが、なぜ故、町長は言えないのであろうか。
 そして、もう一点の、条例に対する責任は、行政に係わる事項については、理由の如何を問わず、全責任は町長に帰属するのではないか?町長が責任を取らずして、だれが責任を取るのか?

 自分は客商売をしており、値上げの種別を問わず、値上げをしたら、必ず、来たお客さんから『なんで値上げしたんだ!』と毎回、キツク言われる。
 怒られるのも仕事のうちだと思っているが、その議案審議に参加した以上、賛成・反対を問わず、説明責任が付いて回る。

 住民に負担を求める事になるならば、より詳しい説明が必要であるはずである。そして。自分は、過去、この介護の始めての条例提案の時も、賛成討論をしたし、また、国保の時も賛成討論をして来た。そして、今回の介護の値上げについても、場合によっては賛成討論をしなければならないとも考えていた。

 しかし、町長の腹が無い以上、なぜ故、起立出来るのか?そして、なぜ、他の議員は起立が出来たのか?


 おそらく、町長は、今回の料金改定で、住民に対し『なぜ、値上げをしたのか?』と質問されれば、『議会が同意した』と言うに決まっている。
 なぜ故、町長のドロを議員が被らねばならないのか?選挙制度も違うし、権限も違うし、もっと下世話な話をすれば、月80万弱もの月給をもらっている町長とは、なんのためにそれだけの報酬をもらっているのか?
 議員だけにその責任を押し付けるという事であるのであれば、そんな事は、まっぴらゴメンである。

 町長は政治家ではないのか。事務屋では無いはずである。では、政治家とはなんぞや?政治とはなんぞや。
 過半数以上の多数決が必ずしも政治ではないはずである。


 さて、採決結果は9対6の賛成多数であったが、
賛成会派は 新政会・公明党・町民連合・町政クラブ
反対会派は 共産党・民友クラブであった。
 採決の前に行われた討論では、反対討論は共産党が行った。しかし、賛成討論はだれも行わなかった。
 住民に負担を求める事に賛成したのであれば、賛成した根拠を明確にすべきではないのか?
 それこそ、条例に対し『責任を取る』とは言わなかった町長の変わりに、どうやって責任を取るのかを、明確にしてほしいものである。



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